【経団連】「外来の包括化」「給付費の総額管理」を/経団連が提言
日本経済団体連合会は11月20日、「社会保障制度改革のあり方に関する提言」を公表した。2025年までに年間の社会保険料負担が勤労者1世帯当たりで25万円程度、事業主総額で約12兆円増加することが見込まれることを踏まえ、社会保障給付の一層の効率化と重点化、さらに、自助・共助・公助の役割分担の明確化を軸とする社会保障制度改革の検討が必要とした。
提言では、給付の重点化・効率化に向けた具体策を医療、介護、年金、子育ての分野ごとに提示した。
医療については▽後発医薬品の使用促進▽保険請求の不正に関わる指導・監査の強化▽70−74歳の患者負担を現行の1割から2割に本則化▽一部の高度医療の適用除外・保険免責制の検討など医療保険の給付範囲の見直し▽医療の標準化と外来診療を含む診療報酬の包括化の推進▽医療保険給付費の総額管理制度の検討―を挙げた。
介護については▽軽度者の訪問介護給付から生活援助を除外▽予防給付を再編し自治体独自の高齢者福祉事業で吸収▽低所得者の特別養護老人ホーム利用料などが補填されている「補足給付」を除外して税で対応▽所得や要介護度に応じた負担率の設定▽ケアプランの作成へ利用者負担の導入▽特別養護老人ホームの利用者を重度者と低所得者に限定▽区分支給限度基準額の引き下げの検討―を挙げている。
●総報酬割の全面導入には反対
喫緊の課題としては保険者財政の窮迫を挙げ、保険料負担への総報酬割の全面導入には医療・介護ともに反対するとした。高齢者医療給付、介護給付への税投入割合の拡充なども求めた。(11/22MEDIFAXより)