【精神医療】精神医療の機能分化で議論開始/厚労省
厚生労働省は精神科医療現場の人員体制について充実させる方向で検討を開始した。精神病床での患者の状態像や病棟機能に応じた医師・看護師の人員配置の在り方について集中的に検討を進め、6月をめどに検討結果をまとめる方針だ。
「精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会」(座長=武藤正樹・国際医療福祉総合研究所長)の初会合で厚労省障害保健福祉部精神・障害保健課は、人員体制の充実が必要な背景として、医療法による病床区分別の人員配置状況や診療報酬上の入院基本料別の患者状況、厚生労働科学研究の結果などを説明。精神病床に入院している患者の状態像を「医療の必要度」「福祉・介護必要度」の度合いによって5つに分類し、それぞれに必要な対応を示した。
政府は2010年6月の閣議決定で、障害者制度改革を推進するための基本的な方向として▽精神障害者の退院支援・地域生活支援▽強制入院・強制医療介入についての保護者制度の見直し▽精神科医療現場の人員体制の充実―の3つの課題を掲げた。「退院支援・地域生活支援」については▽アウトリーチの充実▽精神科救急医療体制の充実▽医療計画への精神疾患の追加―などが11年度内におおむね検討済みとなっており、「保護者制度の見直し」についても保護者の義務規定を廃止する方向で検討が進んでいる。(3/26MEDIFAXより)