【税制】四段階制、「自由診療含め7000万円以上」で適用外/自民部会が了承  PDF

【税制】四段階制、「自由診療含め7000万円以上」で適用外/自民部会が了承

 診療報酬が年間5000万円以下の個人医療機関や医療法人に適用される「診療報酬の所得計算特例措置」(いわゆる四段階制)が一部変更される見通しになった。診療報酬が5000万円以下でも、自由診療収入を含めた医業収入が7000万円以上のケースは適用対象から除外される。自民党の厚生労働部会が1月7日、こうした改正案を含んだ厚生労働省の2013年度税制改正要望案を了承した。

 四段階制は小規模医療機関の事務負担軽減を目的に導入されている特例措置で、実際の経費にかかわらず、診療報酬収入を四段階に区分して所定の概算経費率を掛けることができる。概算経費率は2500万円以下で72%、2500万円超−3000万円以下で70%、3000万円超−4000万円以下で62%、4000万円超−5000万円以下で57%となっている。

 四段階制については会計検査院が11年10月に、▽多額の自由診療収入があるのに特例を適用している▽特例適用者の多くが実際の経費を計算した上で概算経費と比較して有利な方を選択している―などの検査結果をまとめた。民主党政権下の12年度税制改正議論では、財務省が会計検査院の指摘を踏まえ「特例の存否を含めた再検討」を求めたが、厚労省は地域医療の確保に悪影響を及ぼすとして特例措置の存続を主張。12年度は継続された。

 総選挙前の民主党政権下で開かれた12年11月の政府税制調査会でも厚労省は制度の存続を求めたが、一方で自由診療分を含めた収入が一定額以上の場合は特例措置の対象から除外する見直しについては進めていく方針を示していた。

 四段階制は存続するが、自由診療収入を含めた医業収入が7000万円以上の場合は、たとえ診療報酬収入が5000万円以下でも制度の適用対象から外れることになる。

●研発税制は控除上限を30%に
 了承された厚労省の税制改正案にはこのほか、診療報酬の事業税非課税措置や社会保険診療以外の事業税軽減措置の存続が含まれている。研究開発税制(総額型)の税額控除限度額を20%から30%に引き上げることも了承された。

 控除対象外消費税については「医療に係る消費税の課税の在り方を引き続き検討する」という書き方にとどめている。福岡資麿部会長によると「非常に大きな問題なので、重大性を認識した上で今後の議論を進めるべき」との意見が出たという。

 部会として了承した厚労省の税制改正案は、1月9日の自民党税制調査会に報告する。税制改正大綱は1月中旬にも決定する。(1/8MEDIFAXより)

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