【社保審】重点課題「機能分化と在宅」に一点集中/改定基本方針の骨子案  PDF

【社保審】重点課題「機能分化と在宅」に一点集中/改定基本方針の骨子案

 厚生労働省は11月8日の社会保障審議会・医療保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大教授)に「2014年度診療報酬改定の基本方針」の骨子案を示した。重点課題を「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実」の1点に絞った。消費増税を前提とした社会保障・税一体改革の実現に向けた診療報酬改定にするという強い意欲を示した形だ。議論を踏まえ、次回は基本方針案を提示し、12月上旬にまとめる。

 骨子案は、25年に向け医療提供体制の再構築と地域包括ケアシステムの構築を図ることを基本認識に掲げ、次期診療報酬改定で医療機関の機能分化や在宅医療の充実に取り組むことを明記した。重点課題は「消費増税の財源を活用して医療機能強化と重点化に取り組むこととされている中、入院医療・外来医療を含む医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等に取り組む」。保険局医療課の宇都宮啓課長は「今回の重点課題には、一体改革の機能分化・強化と連携、在宅充実という1点のみを取り上げた」と説明。医療課によると、ここでいう増税財源は現時点で、14年度の社会保障充実に活用する5000億円のうち、医療・介護提供体制改革に使う1000億円を指している。

 検討の中で重視する項目も骨子案に盛り込んだ。入院医療では急性期病床の機能明確化と、受け皿病床の整備、有床診の評価を記載。外来医療では、主治医機能の評価と大病院の専門外来の評価を掲げた。在宅医療では在宅療養支援診療所・病院の機能強化などを記載。入院、在宅、介護などの連携も重点検討課題とした。

 改定の視点は4点で「充実が求められる分野を適切に評価」「患者が分かりやすく納得でき、安心・安全で生活の質にも配慮した医療の実現」「医療従事者の負担軽減」「効率化・適正化」とした。充実分野では、がん、精神疾患、認知症対策、救急・小児・周産期医療、リハビリテーションなどの推進を、患者の視点では医療安全対策の推進などを挙げた。負担軽減では救急外来の機能分化やチーム医療の推進などを、効率化では後発医薬品の使用促進や長期収載品の薬価特例引き下げを盛り込んだ。

 骨子案には、消費税率8%時の負担を補填する対応は診療報酬改定で行うことや、将来への課題として医療技術の費用対効果評価を検討することも記載している。(11/11MEDIFAXより)

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