【社保審】次期改定の基本方針策定へ、議論開始/社保審・医療部会
社会保障審議会・医療部会は10月11日、「2014年度診療報酬改定の基本方針」の最終取りまとめに向けた議論を開始した。12月上旬までに策定する方針だ。
改定の視点としては▽充実が求められる分野を適切に評価していく視点▽患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で生活の質にも配慮した医療を実現する視点▽医療機能の分化と連携等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点▽効率化余地があると思われる領域を適正化する視点―を掲げる。
●一体改革関連の基本的考え方、修正も視野/日医・中川副会長
日本医師会副会長の中川俊男委員は、9月6日にまとまった「次期診療報酬改定における社会保障・税一体改革関連の基本的な考え方」についても「柔軟に見直すことはできるのか」と質問。厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓課長は「もう一つの(これまで議論されていない事項の)議論が中心となるが、9月にまとめた基本方針の内容とも関連するものであり、議論はしてもらいたい」と応じた。
中川委員は会議後、医療部会での発言の意図について取材に応じ「9月6日付の基本的な考え方の中で、回復期における亜急性期入院医療管理料の項目は、亜急性期病棟の創設につながる可能性が高い。両論併記の形にはなっているが分かりにくい。この問題は今後、中医協総会で十分議論していくべきテーマと考えている」とし、今後、厚労省などとも協議しながら柔軟な対応を求めていきたいとした。
●課題は効率化・負担軽減・多職種連携…
健保連理事の智英太郎委員は「次期改定の基本方針は、一層の重点化・効率化を進めてもらいたい。病床機能分化については、病床の役割・機能に応じた充実を行うとともに急性期の受け皿の確保が必要だ」と述べた。中医協総会でも議論になった「不適正な訪問診療」にも言及し、「医療関係者が氷山の一角と言っているが、決してそのようなものではない。真に必要な患者に在宅医療が適切に提供されるようにすべきだ」と指摘した。
日本看護協会副会長の菊池令子委員は「次期改定においても医療従事者の負担軽減と在宅医療の充実は、引き続き重点課題に挙げるべきだ」とした上で、精神科入院医療の充実と地域移行問題、周産期・小児医療の充実などを課題とするよう求めた。
日本病院会副会長の相澤孝夫委員は、医療機関の入院医療と在宅医療のつなぎが不十分であると指摘し「入院医療と在宅医療の多職種によるチーム連携ができる評価」を求めた。勤務環境の改善について相澤委員は「今、何が問題かを調査する仕組みをつくってもらいたい」とした。
患者の視点から山口育子委員(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)は、明細書が発行されてもどう活用できるのか患者は理解できていないとし、患者にとって分かりやすく安心できる仕組みが必要だと強調した。(10/15MEDIFAXより)