【社保審】有床診の評価めぐり意見対立/改定基本方針で医療部会  PDF

【社保審】有床診の評価めぐり意見対立/改定基本方針で医療部会

 厚生労働省保険局医療課は、11月22日の社会保障審議会・医療部会に、次期診療報酬改定の基本方針案について、これまでの議論を踏まえた修正案を提示し、前回に続いて委員からの意見を聴取した。「有床診療所に対する評価」を削除すべきとする意見が出たほか、医療のICT化をめぐり遠隔診療の推進で委員間の意見が対立した。厚労省は、11月末に開催予定の社保審・医療保険部会の意見とすり合わせ、最終案をまとめる。

 智英太郎委員(健保連理事)は、基本方針の重点課題として挙げられている「有床診療所」について「医療経済実態調査で経営は安定しており、院長の年収は2009年から12%強増加している。有床診の評価を記載する必要はないのではないか」と述べた。医療従事者の負担軽減については、「医療従事者」ではなく「病院勤務医、看護職、リハビリテーション専門職」に記述を変更するよう求めた。

 これに対して今村聡委員(日本医師会副会長)は、有床診について「有床診が年々急速に減少している。有床診の機能も、地域医療を支えていくため、介護の機能や急性期の術後患者の入院医療など多様だ。詳細な分析のないままに単純に医師の給与が上がっているという一点だけで判断すると誤解を生む」と反論した。智委員は「有床診の重要性は認識しているが、有床診の評価の検討は削除していただきたい」と重ねて強調した。

 今村委員は「主治医」という記載を「かかりつけ医」に変更することも求めた。

●遠隔診療でも意見対立
 一方、藤原清明委員(経団連・経済政策本部長)は「医療のICT化の促進を入れてもらいたい。ICT化が進めば遠隔診療によって地域の患者の医療アクセスが確保されるほか、医師が患者の健康状態の管理もできるようになる」と要望した。

 これに対し中川俊男委員(日医副会長)は「医療は対面診療が原則であり、大前提だ。対面診療ができない環境でやむを得ない場合にICTを使っての遠隔診療を行うべきだ。対面診療をどんどんICTを使った遠隔診療に置き換えていくような誤解があってはならない」と反論した。(11/25MEDIFAXより)

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