【社会保障】高齢者医療の抜本改革「前提でない」/社会保障改革で安倍首相
安倍晋三首相は5月10日の衆院本会議で、社会保障と税の一体改革をめぐり、2012年6月に民主、自民、公明の3党が合意した内容に「消費税率の引き上げに当たっては、社会保障と税の一体改革を行うため、社会保障制度改革国民会議の議を経た社会保障制度改革を総合的かつ集中的に推進することを確認する」と盛り込まれている点について、「必ずしも公的年金制度や高齢者医療制度の抜本改革を前提としたものではないと理解している」との認識を示した。その上で一体改革については、3党実務者協議の状況や国民会議での議論を踏まえて対応する考えを強調した。民主党の長妻昭氏の質問に答えた。
一方、長妻氏は質疑で3党実務者協議をめぐる自民党の対応を批判。「政局抜きであるはずの3党協議が『国会不正常』という政局や、『多忙』との自民党からの一方的な通告によって4月4日から開催されていない。改革の優先度が下がったのか。審議拒否の理由を総理・総裁として答えてほしい」と求めた。
これに対し安倍首相は「公党間の協議であり、その具体的な日程調整や議論の進め方について、答える立場にはないが、自民党として社会保障制度改革の優先度が下がったということではない」と説明した。
さらに、長妻氏は「3党合意には『今後の公的年金制度、今後の高齢者医療制度にかかる改革については、あらかじめその内容等について3党間で合意に向けて協議する』とある。協議すら拒む状況では、確認書は破棄されたということか」と迫ったが、安倍首相は「確認書に基づき3党実務者協議は2013年1月以降11回にわたり開催されており、確認書が破棄されているという認識もない」と応じた。(5/13MEDIFAXより)