【社会保障】病床機能報告の4区分、医療部会に提示/保険者側に懸念も
厚生労働省は9月13日、社会保障審議会・医療部会(部会長=永井良三・自治医科大学長)に、病床機能分化に向けて導入する報告制度で医療機関が選択する区分について▽高度急性期▽急性期▽回復期▽慢性期―の4区分を提示した。厚労省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」が合意した内容。保険者側の委員が「2025年を目指した機能分化の方向性とはかけ離れたものだ」と懸念を表明したが、それ以上の特段の異論は出なかった。
智英太郎委員(健保連理事)は「医療提供体制のひずみの象徴ともいわれている7対1問題の実態を正常化させていく糸口、契機につながらなかったという認識。非常に残念に思っている」と述べた。
●診療報酬と整合性必要/宇都宮課長
厚労省保険局医療課の宇都宮啓課長は、報告制度と診療報酬の関係について「不整合になってはいけない」と述べた上で、「高度急性期、回復期、慢性期、そして急性期の一部は今でも整合性が取れている部分はあると思う。そういうところは整合性を維持し、多少、流動的なところは今後、中医協でも議論していただくが、将来的に不整合とならないよう検討していただく」と述べた。
●地域ビジョンのGLで新検討会も
一方、報告制度で収集する情報を活用して都道府県が策定する地域医療ビジョンの柱として、厚労省は▽入院・外来別、疾患別患者数など25年の医療需要▽2次医療圏(在宅医療・地域包括ケアについては市町村)ごとの医療機能別の必要量▽医療機能の分化・連携を進めるための施設整備や医療従事者の確保・養成など、目指すべき医療提供体制を実現するための施策―の3つを挙げた。
地域医療ビジョン策定のためのガイドラインなどを議論する検討会を新たに設置することも提案。委員から異論は出なかった。(9/17MEDIFAXより)