【社会保障】地域医療支援センター、医療法位置付け了承/社保審・医療部会  PDF

【社会保障】地域医療支援センター、医療法位置付け了承/社保審・医療部会

 厚生労働省の社会保障審議会・医療部会(部会長=永井良三・自治医科大学長)は10月4日、「地域医療支援センター」の機能を医療法上に位置付ける法改正についておおむね了承した。厚労省は、委員から上がった意見を踏まえ、2014年の通常国会への提出を想定している医療法等一括改正案に盛り込む。一括改正案に向けた医療部会の意見書は、年末までに取りまとめる。

 地域医療支援センターは現在、厚労省の補助金事業として取り組む自治体のほか、地域医療再生基金を活用した取り組みや、全額自治体負担での設置など多種多様。

 地域の医師不足・偏在の解消に都道府県が主体的に取り組めるよう、厚労省が補助金事業をスタートさせたのは11年度で、当初は15カ所だった。12年度は5カ所増の20カ所となり、13年度の10カ所拡充で、北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、群馬、埼玉、千葉、新潟、長野、石川、静岡、山梨、岐阜、三重、和歌山、滋賀、京都、大阪、奈良、岡山、島根、広島、徳島、高知、愛媛、大分、長崎、宮崎の1道2府27県が補助金事業として設置している。14年度予算の概算要求で厚労省は、12カ所増の42カ所に拡充する費用を盛り込んでいる。

 13年度から事業実施要綱を改定し、地域の医師不足病院と県内の中核病院の間をローテーションしながらスキルアップしていくなどのキャリア形成プログラムの作成と実施を事業の一つに位置付けた。

 補助金事業以外では、秋田、福井、山口、香川、鹿児島の5県が地域医療再生基金を活用。東京は全額自治体負担で設置している。

●知事の医師派遣要請を明確化
 厚労省は、既存の地域医療支援センターが地域の実情に合わせて取り組む機能を阻害しない形で医療法上に位置付ける方針。都道府県の地域医療対策協議会が実施すべきと定めた場合、都道府県知事が医師不足病院への医師派遣を特定機能病院などに要請できるよう医療法上で明確化する。地域医療支援センターの実質的な機能は、病院や大学、公益法人などに委託することを可能とした上で、委託を受けた組織も医師派遣要請に関与できる仕組みとする。

 地域医療対策協議会の参加者である特定機能病院や地域医療支援病院、大学などについては、医師派遣要請に対し「協力義務」または「協力の努力義務」の対象とする。委員からは「協力義務とすべき」との意見が上がった。(10/7MEDIFAXより)

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