【社会保障】在宅医療推進へ、国と都道府県に新たな会議体/厚労省方針  PDF

【社会保障】在宅医療推進へ、国と都道府県に新たな会議 体/厚労省方針

 厚生労働省は、在宅医療を推進する体制を整備するため国と都道府県それぞれに新たな会議体を設置する構想だ。2014年度予算の概算要求で2億9500万円を計上した「在宅医療提供体制の整備」として実施したい考え。在宅医療に参入する医師を増やすため、病院関係者が対象の研修も実施する計画だ。

●国には推進会議、都道府県には推進協議会
 在宅医療を推進する体制として、国は各都道府県の担当者、都道府県医師会などで構成する「在宅医療推進会議」を設置する。各都道府県での在宅医療推進の取り組みを把握し、好事例を共有することで在宅医療推進策の均てん化を図る狙い。

 各都道府県には、市町村、郡市医師会、都道府県医師会、在宅医療関係者、訪問看護関係者、介護関係者らで構成する「在宅医療推進協議会」の設置を求める。在宅医療の現状・課題や在宅医療推進のための取り組み状況などを把握した上で、課題解決に向けた方策などを決める体制とする。

●医師養成は司令塔役を委託
 在宅医療に参入する医師を増やすための研修は▽実際に在宅医療へ参入する医師を養成する▽在宅医療に対する病院関係者の理解を深める―の2本立て。医師養成研修は、在宅医療のノウハウを持つ医療機関や研究機関など1カ所に司令塔としての役割を委託し、教材の策定から研修の進捗管理、研修実施後の有効性評価などを任せる。

 病院関係者への研修は、在宅医療への理解を深めてもらうことで退院支援や急変時の入院を円滑化するのが狙い。関心を持ってもらうことで、将来的に在宅医療や訪問看護への参入を考える人を増やすきっかけづくりを進める狙いもある。研修担当者が病院を訪問して実施する計画だ。

 厚労省は12年度、多職種協働による在宅医療のチームリーダーを養成する研修を国立長寿医療研究センターに委託して実施。各都道府県の行政担当者、医師会関係者、在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、訪問看護ステーションなどの約250人を「都道府県リーダー」として養成し、各都道府県リーダーは各地域で「地域リーダー」を約150人養成する研修事業に取り組んだ。13年度は地域リーダーが各地域の多職種に対する研修に取り組んでいる。14年度の事業として計画している在宅医療に参入する医師を増やすための研修は、都道府県リーダーや地域リーダーに中心的な役割を担ってもらう考えだ。(9/6MEDIFAXより)

ページの先頭へ