【社会保障】国民会議の後任「推進会議」設置へ/自民・合同会議、プログラム法案了承  PDF

【社会保障】国民会議の後任「推進会議」設置へ/自民・ 合同会議、プログラム法案了承

 自民党は10月8日、厚生労働部会・社会保障制度に関する特命委員会の合同会議を開き、社会保障制度改革のプログラム法案を了承した。個別の法律を改正するのではなく、今後の社会保障制度改革の進め方や全体像を示したもので、法案の正式名称は「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案」。法律の施行期日は公布日。政府・与党は党内手続きを経て、10月15日から始まる臨時国会の冒頭に法案提出した。

 プログラム法案では、内閣に「社会保障制度改革推進本部」(本部長=安倍晋三首相)と、社会保障制度改革国民会議の後任組織に当たる「社会保障制度改革推進会議」を設置することを明記した。設置期限はともに5年以内。推進本部のメンバーは、首相や内閣官房長官、財務相、厚生労働相、総務相ら国務大臣で構成する。社会保障制度改革を総合的・計画的に推進し、さらに、検証する役割を担う。一方、推進会議の委員は首相が任命する20人以内のメンバーで構成する。高齢化がピークに達する2025年を展望しながら社会保障制度を総合的に検討し、首相に意見具申する。

●8%増税時、医療介護提供体制改革に1000億円
 厚生労働省と内閣府は予算要求府省の立場から、消費税率を8%に引き上げた時の増収分の使い道を参考資料として示し説明した。予算については年末に向けて引き続き検討していくことになる。

 厚労省によると、税率を上げた直後の14年度増収見込み額は5兆1000億円で、そのうち1兆4500億円を社会保障費自然増の安定財源として使う。また、2兆9500億円を基礎年金国庫負担割合2分の1への恒久的引き上げの財源に充て、2000億円を消費税率引き上げに伴う診療報酬などの物価上昇に対応するための費用として確保する。

 これらを差し引き、残った5000億円を「社会保障の充実」に充てる。医療・介護サービスの提供体制改革には1000億円程度を使う。厚労省会計課は「病床機能分化や連携を進めていく上で、診療報酬や新たな補助金でどう対応するかが中心的な課題だ」と説明した。地域包括ケアシステムの構築や介護については「14年度に一定の対応が必要かどうかを年末までに検討していく」とした。

 このほか、国保の低所得者保険料軽減措置の拡充に620億円、15年1月から実施する高額療養費の見直しに50億円、難病対策・小児慢性特定疾患の医療費助成に300億円を使う。待機児童解消加速化プランなどの子ども・子育て支援は3000億円、遺族年金の拡大には10億円を見込む。(10/9MEDIFAXより)

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