【社会保障】医療部会も一体改革部分の中間整理/14年 度診療報酬改定方針
社会保障審議会・医療部会は8月9日、2014年度診療報酬改定の基本方針策定に向けて社会保障・税一体改革関連部分に関する意見をまとめた中間整理案を大筋で了承した。会合で挙がった意見や、委員からの追加意見も反映した上で、社保審・医療保険部会と調整し、中間整理の確定版とする。
●機能分化や病床整備の表現に異論も
厚労省は8月9日午前の医療保険部会にも提出した「次期診療報酬改定における社会保障・税一体改革関連の基本的な考え方について(案)」を示し、意見を求めた。
相澤孝夫委員(日本病院会副会長)は「急性期病床では、急性期を脱した患者の転院先が見つからずに、次の救急患者を受け入れられない状況もある」と記載されていることなどに反論。「見つからないのではなく(受け皿を)つくっていないからだ」と指摘し、「一般病床の入院を適切にするためにも、在宅までのスムースな病床整備が必要」と述べた。
「急性期病床における長期入院患者の評価の適正化」と記載されたことにも触れ、「次に移る体制がないままだと(医療機関の経営者は)首を絞められるだけ」とし、受け皿整備の必要性を強調した。
生産年齢層を主な対象とするこれまでの医療から、高齢者が主な対象となる医療への変化に合わせて「急性期治療後も継続するQOL維持・改善などを含んだ慢性疾患モデルを急速につくる必要がある」と述べ、財政的・制度的支援を求めた。
西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は、入院医療について「7対1病床が急速に増え」と記載された点を問題視し、「7対1入院基本料(を算定する病院が急速に増えている)とすべき。実際の人員配置は(傾斜配置によって)病棟ごとにさまざまだ。実態を踏まえた書き込みにしていただきたい」と述べた。
また、「急性期病床の平均在院日数の短縮」が検討事項に挙がっていることなどに触れ、「急性期の在院日数を減らすなら、今よりもっと看護師を増やさなければならない」とし、「きちんと将来像を見せないと医療機関は不安な気持ちになる」と述べた。人員体制は労働環境に大きく影響するとも指摘し「いろんな視点で考えた長期ビジョンを示していただきたい」と求めた。(8/12MEDIFAXより)