【社会保障】医療法改正案、今秋の提出方針を変更/仕切 り直し14年通常国会へ
今秋の臨時国会への提出に向けて検討を進めてきた医療法改正案について、厚生労働省は8月9日、社会保障審議会・医療部会(部会長=永井良三・自治医科大学長)に、法案提出時期を遅らせ、2014年の通常国会への提出を目指す方針を示した。より慎重に議論を進めるためで、委員から異論はなかった。
厚労省は「医療法等改正法案等に係る今後の審議日程等について(案)」と題した資料で、今後の審議スケジュール案として、9月以降は月2回の頻度で医療部会を開き、11月中をめどに意見を取りまとめたいとの考えを示した。仕切り直しの理由について、厚労省医政局総務課の土生栄二課長は「何人かの(医療部会委員の)先生方から慎重な議論を求める意見を頂戴したため」と説明した。
報告制度を検討している厚労省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」では、病院が選択する機能分類について意見が一致していない。厚労省は「急性期機能」「検討中(=亜急性期+地域多機能)」「回復期リハビリテーション機能」「長期療養機能」の4分類を示しているが、日本医師会と四病院団体協議会は合同で「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」とする4分類を提案している。
●医療法人の見直し、まず新検討会で
厚労省は会合で、現時点で想定している関連法改正に向けた主要な検討テーマとして▽病床の機能分化・連携▽在宅医療の推進、介護との連携を含む地域包括ケアシステムの構築▽医師、看護職員などの確保や勤務環境改善▽チーム医療の推進▽医療提供体制の改革を実現するための方策▽医療事故調査制度▽特定機能病院の承認の更新制▽臨床研修中核病院(仮称)の位置付け▽持分なし医療法人への移行促進―などを示した。
社会保障制度改革国民会議の報告書で言及された医療法人間の合併や権利の移転などに関する制度の見直しについては、すでに設置の方針を示している新たな検討会でまずは議論するとした。(8/12MEDIFAXより)