【社会保障】全国に勤務環境改善支援センター/医療部会が法改正了承
2014年の通常国会に提出する予定の医療法等改正一括法案に盛り込む事項について議論している社会保障審議会・医療部会は10月4日、医療機関での勤務環境改善に向け、医療機関を総合的に支援する「医療勤務環境改善支援センター(仮称)」を全都道府県に設置する法改正について了承した。年末までに取りまとめる医療部会の意見書に盛り込む。
勤務環境改善支援センターは、厚労省が構想する「医療機関の勤務環境改善システム」の一環として設置する。勤務環境改善システムでは、医療機関が自主的にPDCAサイクルで勤務環境改善に取り組むよう促す。国は医療機関が勤務環境改善に自主的かつ計画的に取り組めるよう、改善プロセスに関するガイドラインを策定する。勤務環境改善支援センターには診療報酬や医療制度などに詳しい医業分野のアドバイザーと、労務管理を支援する「医療労働相談員」を配置し、医療機関のニーズに合わせて支援する体制とする。関連事業費として14年度予算の概算要求に3.1億円を計上している。
●診療報酬による経営支援が必要
西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「良質な医療を提供し続けながら勤務環境を改善するには、経営支援がなければ難しい」と述べた。その上で「財源」と「人手」に着目した経営支援が重要との考えを示し、「お金の面は診療報酬で付けていただきたい」と求めた。
今村聡委員(日本医師会副会長)は、勤務医の労働環境改善は最優先課題とした上で、労働基準局の取り締まりではなく自発的に取り組むためには経営の安定化が大前提になると強調した。(10/7MEDIFAXより)