【社会保障】予防医療を提言、診療報酬は「受診しない」対価に
在日米国商工会議所(ACCJ)と欧州ビジネス協会(EBC)は5月31日、日本経済の成長を促進するための医療政策をまとめた白書を発表した。健康寿命を延ばすために、非感染性疾患の予防医療と早期発見の重要性を強調した。診療報酬は治療への対価ではなく、医療機関に受診しないことへの対価に転換するべきだとの提言も盛り込んだ。白書は国会議員らへ配布する。
白書は、疾病による経済的負担や、疾病を未然に防ぐ予防接種政策などに言及した上で、糖尿病や脳卒中、感染症、女性関連の疾患など36項目に分け、経済成長に向けた医療政策を打ち出した。世界の科学的調査のデータと成功事例を基に、予防と早期発見に重点を置いた取り組みを推進するよう提案している。
会見でACCJのローレンス・ベイツ会頭は、予防医療への投資が成長を促すと指摘し、健康寿命の延長が日本の経済活性化には重要と提言した。EBCのデューコ・デルゴージュ会長も「健康増進への支出は有意義な経済投資」と述べ、提言が反映されることを期待した。(6/4MEDIFAXより)