【研修医】研修医の募集上限、京都のみ減/厚労省、15年度定員を試算
厚生労働省は、2015年度の研修医募集定員数の上限を都道府県別に試算し、10月24日の医道審議会・医師分科会医師臨床研修部会(部会長=桐野高明・国立病院機構理事長)に一覧表を示した。15年度から医師臨床研修制度を見直す際に導入する新たな算定式に、13年度の実績などを仮の数値として当てはめ計算した。京都府以外の都道府県は13年度の採用実績を上回る募集定員を設定できる試算結果となった。
現行制度の募集定員は、各基幹型臨床研修病院が前年度採用実績の90%を下回らないよう設定することができ、結果として都道府県別に設定している上限を上回ることを認めている。このため、全都道府県の募集定員総数が研修希望者総数を上回って推移しており、13年度では1.237倍の差がある。
15年度からは都道府県別に「県内の基幹型病院に案分する枠(基礎数)」+「都道府県の判断で調整できる枠(調整枠)」で構成する上限を設定し、上回ることは認めない。「基礎数」は、「人口分布」「医師養成状況」「地理的条件等の加算」で算出。調整枠は、毎年度設定する「全国の募集定員上限総数」から「全都道府県の基礎数合計」を差し引いた数を、直近の採用実績割合で都道府県に割り振る。
●募集上限が100人以上増は12都道県
試算で15年度の募集定員上限が最も多かったのは東京の1491人で、神奈川673人、大阪635人、愛知555人など、大都市部を含む都府県が多かった。13年度の採用実績より100人以上増となったのは、埼玉(239人)、東京(211人)、北海道(181人)、千葉(149人)、石川(133人)、神奈川(129人)、栃木(126人)、兵庫(112人)、静岡(111人)、鹿児島(111人)、新潟(109人)、愛知(100人)の順で12都道県。京都は、13年度の採用実績が府の募集定員上限を超えていることなどが影響し、20人減の244人となった。
●調整枠は圧縮へ、東京1位も今後減少
13年度の採用実績で試算した調整枠は、最も多かった東京の232人など大都市部を含む都府県が多かった。厚労省医政局医事課医師臨床研修推進室の田村真一室長は、毎年度設定する募集定員上限総数を5年間で減らしていく方針に言及した上で、上限の圧縮は調整枠を減らすことが中心と説明。「今後は東京のような調整枠が多いところ(の募集定員上限)が減っていくイメージ」と述べた。
研修希望者総数は、医学部の定員が増えているため増加傾向にある。(10/25MEDIFAXより)