【皆保険】改革推進法の条文は「皆保険の維持」/社会保障審議会で厚労省
厚生労働省の前政策統括官(社会保障担当)の香取照幸年金局長は1月31日の社会保障審議会で、医療保険制度改革の基本方針を定めた社会保障制度改革推進法第6条の解釈について「皆保険体制を維持することを前提に法を作ったことは、(自公民の)各党代表の議員による議論から明らかだ」と述べ、政府として「国民皆保険の維持」を前提に制度改革に取り組んでいるとの姿勢を示した。中川俊男委員(日本医師会副会長)の質問に答えた。
中川委員は第6条の文言にある「医療保険制度に原則として全ての国民が加入する仕組みを維持する」について、「原則として」「維持する」とあるが「国民皆保険の堅持」と同じ意味であると理解してよいのかと厚労省としての解釈を尋ねた。香取年金局長は法律用語として「堅持」は用いないと説明するとともに「法律の表現通りにご理解願いたい」と述べた。
中川委員はさらに、「皆保険を堅持するというこれまでの政府の方針に何ら変わりはないということか」と念押しをしたのに対し、唐澤剛政策統括官(社会保障担当)は「皆保険を維持するという点では同じだ」と答えた。
●「給付の賢い効率化を」/吉川委員
審議会では吉川洋委員(東京大大学院教授)が「社会保障費の伸びが大きいことを踏まえ、社会保障については給付面も賢い効率化を進めなければならない」との意見を述べた。
経済界からは斎藤勝利委員(経団連副会長)が「これ以上の保険料負担の増加は企業の国際競争力や個人消費、雇用に大きな影響を与える」と指摘。現役世代が加入する健保組合の約9割は後期高齢者支援金・前期高齢者納付金への対応で赤字となり、解散する健保組合も相次いでいるとした。さらに、高齢者医療制度への税投入割合の引き上げが必要とする一方、健保組合が協会けんぽへの国庫補助を肩代わりする仕組みは容認できないとも主張した。(2/1MEDIFAXより)