【療養費】柔整療養費、適正化へさらなる見直し/厚労省が改定の基本的考え方
厚生労働省保険局医療課は5月11日の社会保障審議会・医療保険部会に、多部位施術や長期施術、頻回施術の見直しなど柔道整復療養費改定の基本的な考え方を提示した。厚労省の提案に反対意見はなかった。
厚労省は柔道整復療養費について2010年度改定の効果を踏まえた上で、さらなる見直しを行う考え。療養費改定率は通例では医科外来の診療報酬改定率の2分の1を目安に調整するが、柔整療養費については行政刷新会議からの給付の適正化を求める指摘を受けて10年度改定はゼロ改定となった。その上で請求の適正化を図るため、多部位施術については3部位目の給付率を80%から70%に、4部位目の給付率も33%から0%にそれぞれ引き下げた。ただ、11年度までに実施した都道府県別の請求部位数や月間施術回数、施術期間などの調査結果では、地域間格差が依然大きいことが判明したため、さらなる見通しを行う方針だ。
10年の会計検査院の指摘を受け、長期施術や頻回施術についても見直す。受傷初期段階の施術に対する評価の見直しや、頻度が高い施術で支給申請書に理由書を添付することなどの運用の見直しを行う考え。
10年度の柔整療養費は4075億円(対前年度比1.3%
増)。柔整療養費の7割超は、ねんざへの施術が占めている。
一方、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅうの施術についても▽療養費の伸びが柔整療養費や国民医療費全体の伸びを上回っている▽施術回数や「往療」と呼ばれる患家での施術回数に都道府県で差がある▽あん摩マッサージ指圧での往療料の割合が増大している―などとして、施術の特性を踏まえた見直しを行う。施術録の整備を求める考えも示した。(5/14MEDIFAXより)