【病床機能】既存システムとの連携検討を/機能報告制度 で厚労省・検討会
病院病床の機能分化推進に向け導入する報告制度について検討している「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」は7月11日、医療機関が都道府県へ報告する具体的な事項などについて議論した。構成員からは、すでに各都道府県で運用されている医療機能情報提供制度やナショナルデータベース(NDB)、政府が今後進める「データヘルス計画(仮称)」との連携など、さまざまなシステムとの連携について検討を求める意見が上がった。
相澤孝夫構成員(日本病院会副会長)は、現行の医療機能情報提供制度は各施設の専門医数や職員数、手術件数や医療機器など、都道府県によって扱う情報が異なっていると問題視。「全国統一で情報をきちんとすれば、地域の情報は把握できると思う」と述べ、医療機関への負担軽減策として検討するよう求めた。
松田晋哉構成員(産業医科大教授)は「例えばNDBを活用することで医療界のコンセンサスが得られれば、いろんなものに応用もできる。国としての経費も減らせるので素晴らしいと思う」と検討を求めた。
高智英太郎構成員(健保連理事)は、健保組合が加入者の健康増進に向けてレセプトデータを分析する事業として政府が成長戦略に盛り込んだ「データヘルス計画」に言及し「一番手っ取り早いのは、そちら(データヘルス計画)とどうコミットするかではないか」と述べた。
●有床診「急性期情報も必要」
有床診療所が報告する具体的な内容についても議論した。高智構成員は「介護保険との連携の有無などについては、山間へき地の住民・患者の視点からすると大事ではないか」と述べた。三上裕司構成員(日本医師会常任理事)も賛同し、住民に役立つと思われる情報として「医療関係だけでなく、レスパイトケアやショートステイ、介護療養病床を持っているか」を挙げた。
松田構成員は「近年の動向としてかなり急性期をやる有床診が増えている」との認識を示し、「諸外国でも短期入院で内視鏡手術や、白内障手術などがやられているので、急性期の報告も求めた方がよいのでは」と提案した。
厚労省は、報告制度で医療機関が報告する具体的な項目について、全医療機能共通の報告事項と、医療機能ごとに個別報告事項を設定する案を示している。有床診については▽有床診療所一般病床初期加算▽在宅患者訪問診療料(在宅ターミナルケア加算)▽在宅看取り件数・院内看取り件数▽往診患者数―の4項目を提案している。産科を有する有床診には分娩件数を加える案を示している。(7/12MEDIFAXより)