【病床機能】厚労省、病床機能4分類で再提案/「亜急性 期」「地域多機能」を合体
厚生労働省は7月11日、「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大教授)に、病院病床の機能分化推進に向け導入する報告制度で各医療機関が選択する医療機能について、4分類とする新たな案を示した。前回会合では5分類としていたが、構成員から意見が相次いだ「亜急性期」と「地域多機能」を1つの機能としてまとめた。合体後の医療機能の名称は「検討中」とした。報告制度の医療機能区分の「報告」と、診療報酬の入院基本料などの「届け出」は別問題とする考え方も案の中で示した。
厚労省が示したのは▽急性期機能▽「検討中」▽回復期リハビリテーション機能▽長期療養機能―の4分類。亜急性期と地域多機能が合体した「検討中」の医療機能の概念は「主として比較的軽度の急性期患者(サブアキュート)および急性期を経過した患者(ポストアキュート)に在宅復帰へ向けた医療を提供しつつ、幅広い患者に対応する機能」とした。サブアキュートの概念については、主に在宅・介護施設の患者の急性増悪時対応とし、このうち高密度な医療が必要となる重症者は「急性期機能」で対応するとの考えを示した。
●日医案は「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4分類
一方、三上裕司構成員(日本医師会常任理事)は日医案として▽高度な先端医療の提供や、ICUなどの集中治療室を備えて救命救急を担う「高度急性期病床」▽急性期医療(高度急性期病床と一部重複)の提供やサブアキュートにも対応する「急性期病床」▽現在の亜急性期入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する病床など、急性期経過後(ポストアキュート)の患者に医療を提供する「回復期病床」▽長期の療養を必要とする患者に医療を提供する「慢性期病床」―の4区分を示した。厚労省案とは、サブアキュートを急性期医療に位置付けている点などが異なる。
厚労省の神田裕二審議官は、日医案と厚労省案に大きな違いはないとの認識を示した上で、厚労省がポストアキュートとサブアキュートを合わせて位置付けていることについて、現在の診療報酬の亜急性期入院医療管理料で明確に位置付けているとし「人員配置など医療資源投入量で言うと、ポストアキュートだけでなく軽度の急性期の方も受け止めることができる機能も果たすということ」と説明した。
日医案については花井圭子構成員(連合総合政策局長)と山口育子構成員(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)が分かりやすいと評価した。(7/12MEDIFAXより)