【番号制度】番号制度導入に向けて医療分野個別法の議論開始/厚労省
厚生労働省は4月12日、「社会保障分野サブワーキンググループ」と「医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」を合同で開催し、社会保障・税番号制度に対応する医療分野の個別法に関する議論を開始した。今後、月2回のペースで会合を開き、2012年夏までをめどに基本的な考え方を取りまとめる。会合の議事進行は同検討会座長の樋口範雄・東京大大学院教授が務める。
社会保障・税番号制度の導入に向けて、いわゆる「マイナンバー法案」が今国会に提出されているが、医療分野はこの法案の対象となっていない。ただ、社会保障・税番号大綱で機微性の高い医療情報の取り扱いは個別の法律で整備するとの方向性が示され、厚労省は医療分野に関する個別法案を13年の通常国会に提出することを目指している。
厚労省は会合に、今後の議論に向けて▽医療などの分野の個別法の必要性▽個別法の法的枠組み▽効率的で安全な情報の取得と利活用を可能にする法的・技術的仕組み▽罰則の在り方、医療サービス提供側の免責▽個別法の位置付け、適用範囲・履行確保―の5項目からなる論点を提示した。
会合では複数の委員が、番号制度を通じて医療情報の利活用が活発化することの重要性を指摘する一方、個人情報保護の必要性を強調する意見が出された。「マイナンバー法案」と「医療分野の個別法」との関係を明確にするべきとの意見もあった。石川広己委員(日本医師会常任理事)は「番号制度は国民の同意が必要。実践の段階で何度も検証を行う必要がある」と指摘した。福井トシ子委員(日本看護協会常任理事)も「議論と並行して国民から広く意見を募らなければ、制度と国民の理解がずれていってしまう」と述べ、番号制度の前提として国民の理解を得る必要性を強調した。(4/13MEDIFAXより)