【番号制度】患者情報の保護が議論の前提/厚労省・医療分野個別法合同会合  PDF

【番号制度】患者情報の保護が議論の前提/厚労省・医療分野個別法合同会合

 厚生労働省の「社会保障分野サブワーキンググループ」と「医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」は4月26日、社会保障・税番号制度に対応する医療分野の個別法を議論する2回目の合同会合を開き、個別法の必要性や法的枠組みについて意見交換した。医療情報には、医療サービス提供側と患者側の双方に権利と義務があることをあらためて確認し、その上で患者情報の保護をどのように担保するか議論すべきとの方向性が示された。
個別法の必要性については、特に異論は出なかった。

 山口育子構成員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)は医療情報に関する医療者側の責務について、▽患者情報を正しく取得する▽適切に情報提供する▽情報漏えいを防止する―などを指摘。一方、患者側にも▽病状・病歴を正確に、医療者に伝える▽医療者の説明を理解するよう努力する▽医療機関が公表する個人情報の利用目的を理解して自己申告する―などの責務があると説明した。さらに、医療情報に対する意識には個人差もあるとしたほか、患者の主張・要求がそのまま権利にならないことについて理解を得る必要性も指摘した。

 石川広己構成員(日本医師会常任理事)は「医療情報の問題を前に進めないとITの利用ができない。情報保護を前面に出した上で、利活用を考えていくべき」と述べ、議論を促した。これを受け、金子郁容・社会保障分野サブワーキンググループ座長(慶応大大学院政策・メディア研究科教授)は「情報の保護は前提。その上で、保護をどのように担保していくかが重要」との考えを示した。このほか複数の構成員から、「患者が自己の情報を保護(秘匿)される権利、自己の情報の開示・訂正・削除を請求する権利の確保」について議論を深めるべきとの指摘があった。(4/27MEDIFAXより)

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