【産科補償】重大な過失「医学的水準から著しく逸脱」でほぼ一致/産科補償  PDF

【産科補償】重大な過失「医学的水準から著しく逸脱」でほぼ一致/産科補償

 日本医療機能評価機構の産科医療補償制度運営委員会(委員長=小林廉毅・東京大大学院教授)は2月7日、同制度で妊産婦に支払う「補償金」と分娩機関側が保険会社などを通じて妊産婦に支払う「損害賠償金」の調整について、医療行為として悪質で医学的水準から著しく逸脱した事例があった場合に、同機構が主体的に調整を開始する可能性があるとする方向でおおむね一致した。ただ、具体的な文言を決めるまでには至らなかった。

 産科医療補償制度は、一定の条件を満たす重度脳性麻痺児に対して医療機関の過失の有無にかかわらず補償金を支払う仕組みだが、重大な過失が明らかな場合は医療機関が支払う損害賠償金との調整が必要となる。現行の仕組みでは、同制度の原因分析委員会が「医学的観点」から分娩機関に「重大な過失が明らかと思量される」と判断した事例について、「法律的観点」から同制度の調整委員会が検討し、「重大な過失」に該当すると判断した場合は、同機構が分娩機関との間で負担の調整を行う仕組みとなっている。ただ、これまで同機構が主体的に調整を開始したケースはない。(2/8MEDIFAXより)

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