【産科補償】産科補償「保険会社の取り分」で厳しい意見も/社保審・医療保険部会  PDF

【産科補償】産科補償「保険会社の取り分」で厳しい意見も/社保審・医療保険部会

 社会保障審議会・医療保険部会が7月30日開かれ、日本医療機能評価機構が産科医療補償制度の運営状況について報告した。一部の委員からは、保険会社の取り分を疑問視する意見や、制度を根本から見直すべきなど厳しい意見が出た。今後も継続して議論していく。

 産科医療補償制度の収支状況は、2009年度の収入保険料が315億円、補償対象件数は172件で補償金支払いが52億円。事務経費を差し引いた214億円が将来の補償金支払いのために保険会社が管理する備金となっている。10年度は収入保険料324億円、補償対象件数は126件で38億円を支払い、支払備金は250億円。11年度は収入保険料318億円、補償対象件数は26件で8億円を支払い、支払備金は273億円となっている。

 白川修二臨時委員(健保連専務理事)は「保険料を保険者が負担している。ノープロフィットが原則であるべきで、保険会社も基本的にはノープロフィットの財政的配慮をすべきでないか」と指摘し、次回以降、保険会社にどの程度の資金が渡されているかなど現状を提示してもらいたいとした。さらに、備金の金利、運用益はどうなるのかなども併せて提示するよう求めた。

 菅家功本委員(連合副事務局長)も「この制度の責任主体はどこにあるのか。法律に基づく制度に根本から見直すべきでないか」と問題提起した。

 一方で他の委員からは現行の運営状況に一定の理解を示す意見もあった。(7/31MEDIFAXより)

ページの先頭へ