【生活保護】病院登録「受診しづらい」/27団体、大阪市に撤回要望
大阪市が導入を予定している西成区の生活保護受給者が受診する医療機関や薬局を登録する制度に対し、受給者の支援団体など27団体が6月4日、受診しづらくなるとして撤回を求める要望書を市に提出した。
制度は橋下徹大阪市長が1月に導入を指示、8月から実施予定だ。公費で全額を負担している受給者の医療費削減や薬剤の過剰処方を減らすことを目指している。登録していない医療機関に行く場合には、担当ケースワーカーへの相談が必要となる。
要望書は、制度は受給者の医療機関選択の自由を奪うと主張。登録していない医療機関を利用する場合には手間がかかり、適切な医療機関に受診できないまま、症状悪化の可能性があると指摘した。
記者会見した小久保哲郎弁護士は「全国的に見ても西成区の医療扶助費は高くない」と強調。「この制度で過剰診療が減るのかは疑問。福祉事務所に医療相談員を配置するなどほかにも方法はある」と訴えた。
西成区は日雇い労働者が集まる「あいりん地区」を抱え、区民約12万人のうち、4人に1人が生活保護を受給している。(6/6MEDIFAXより)