【生活保護】生活保護の見直し議論開始/12年秋にも生活支援戦略を策定へ
厚生労働省は、生活保護制度の見直しと生活困窮者対策に総合的に取り組むため、2012年の秋をめどに「生活支援戦略(仮称)」を策定する。期間は13−19年度の7年間。戦略に含まれる生活保護制度の見直しでは、生活保護給付の適正化に向け、医療機関に国が直接指導する権限を導入する方針だ。4月9日の国家戦略会議(議長=野田佳彦首相)で、小宮山洋子厚生労働相が説明した。
医療機関への指導については「例えば方向性として、生活保護受給者に過剰診療をして診療報酬を請求している医療機関への、国の直接指導などがあり得る」(厚労省社会・援護局保護課)という。そうした指導をするための調査を民間に委託できるようにすることも想定する。生活保護法での医療機関の指定基準見直しも検討する。
生活保護制度の見直しではこのほか、生活保護基準体系の見直しや、生活保護受給者の就労収入の一部を積み立て生活保護脱却時に一括還付する「就労収入積立制度(仮称)」の導入などを盛り込んだ。
4月26日には、社会保障審議会の特別部会が初会合を開き、13年の通常国会での生活保護法改正も視野に議論を始めた。(4/10、5/1MEDIFAXより)