【特定行為】3職種の業務範囲拡大へ、意見取りまとめ/チーム医療推進会議  PDF

【特定行為】3職種の業務範囲拡大へ、意見取りまとめ/チーム医療推進会議

 厚生労働省の「チーム医療推進会議」(座長=永井良三・自治医科大学長)は10月29日、診療放射線技師、臨床検査技師、薬剤師の3職種について関係法の改正事項を含む業務範囲拡大に向けた意見を取りまとめた。社会保障審議会・医療部会に意見を提出し、審議を求める。診療放射線技師については、現在実施中の厚生労働科学研究費事業の結果次第では、検診車での医師の立ち会いを不要とする意見を追加する可能性がある。

●「検診車の医師立ち会い不要」は厚労科研次第
 検診車での医師の立ち会いをめぐっては、日本診療放射線技師会など4団体が医師の包括的指示で実施できるよう診療放射線技師法改正を求め、3月に厚労省の医政局長に要望書を提出している。会合では小川彰委員(全国医学部長病院長会議顧問)が「検診車の性能は向上しており、医師が立ち会っても車内で待機するだけ」とした上で、「1日当たり全国で2500人程度の医師がそのために駆り出されている。医師不足の中で理不尽な状況が生じている」と見直しを求めた。厚労省医政局医事課は、2013年度の厚労科研費事業でエックス線照射装置の性能向上を踏まえたリスクを検証しており、結果がまとまり次第、早急に見直しの是非を検討する考えを示した。

 取りまとめによると、診療放射線技師の業務拡大については▽CT・MRI検査=医師・看護師が確保した静脈路に造影剤を接続することと、造影剤注入器を用いた造影剤投与、投与後の静脈路抜針・止血▽下部消化管検査=肛門からカテーテルを挿入し、挿入したカテーテルで造影剤および空気を注入する▽画像誘導放射線治療=肛門からカテーテルを挿入し、挿入したカテーテルで空気吸引―の追加を提案する。既資格取得者の研修は努力義務とする。

 臨床検査技師については▽インフルエンザ検査などにおける検体採取(鼻腔拭い液、鼻咽頭拭い液、咽頭拭い液、鼻腔吸引液など)▽細菌・真菌検査などにおける検体採取(表在組織からの膿、表皮・粘膜表面などの直接採取)▽糞便検査におけるスワブを用いた肛門部からの便直接採取―の追加を提案。既資格取得者が実施する際の研修受講を義務付ける。

 薬剤師の業務範囲拡大は▽調剤した薬剤を居宅で授与する際に残薬を確認した場合は、処方した医師・歯科医師へ疑義照会した上で調剤量を変更できるよう薬剤師法の省令改正▽医師が夜間に患者の急変で往診し交付した処方箋への対応など、緊急時の居宅における調剤について、許容できる場合を通知で明確化する―の2項目。(10/30MEDIFAXより)

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