【特定行為】看護業務実調203項目など仮分類へ/看護業務検討WG  PDF

【特定行為】看護業務実調203項目など仮分類へ/看護業務検討WG

 厚生労働省の「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部救急医学講座教授)は3月23日、特定行為の範囲の明確化や医行為の分類に向けて、看護業務実態調査の203項目などを精査しながら、仮の分類案を作っていくことで一致した。

 厚労省がこれまでに示した「たたき台」では、「行為の難易度」を縦軸、「判断の難易度」を横軸に置いた上で、行為・判断の難易度をそれぞれ段階分けし▽絶対的医行為(行為・判断の難易度が著しく高いもの=医師のみが実施)▽特定行為B1(行為の侵襲性が相対的に高く、行為の難易度が高いもの)▽特定行為B2(行為を実施するタイミングなどについて判断の難易度が高いもの)▽一般の医行為(行為の難易度、判断の難易度ともに看護師一般が実施可能なもの=看護師一般が医師の指示の下に実施)―の4区分を設定。各医行為を分類する案を示していた。

 WGでは、今後、医行為の分類に当たって2軸を活用する方向で一致したものの、厚労省が各軸の段階分けとして例示した「診療内容の決定に関わるレベル(判断の難易度)」などは「目安として適していない」とする意見が複数上がった。こうした意見を踏まえ、今後、203項目の行為などで仮の分類を行い▽各行為の分類が適当か▽各軸の難易度の目安―について詰めていくことにした。

●「医行為」「診療の補助」の法令見解を整理
 厚労省はWGに「医行為」と「診療の補助」について法令上の考え方を整理し、報告した。▽「医行為」=医師の医学的判断をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為で医師のみが行えるもの▽「診療の補助」=看護師の業務として医師(歯科医師)の指示の下に行う医行為(歯科医行為)で看護師のみが行える―と整理した。「絶対的医行為」は「当該行為が単純な補助的行為の範囲を超えているか否か及び医師が常に自ら行わなければならないほど高度に危険な行為であるか否かに応じて判断する必要がある」とする2003年1月28日の政府見解を示したが、星北斗委員(星総合病院理事長)は「この見解は相対的医行為と絶対的医行為を区別するラインに言及していない」とし、定義として不明確だと指摘した。

●医行為の分類で意見書/日医・藤川常任理事
 チーム医療推進会議の藤川謙二委員(日本医師会常任理事)はWGで医行為の分類に関する意見書を提出した。意見書では、一般の看護師が診療の補助として実施できる範囲を明らかにするために一つ一つの行為を検討していくことは賛成とした上で、診療の補助を「一般の医行為」「特定行為」に切り分けることで「一般の看護師の行う業務ではない」との認識が広まる可能性があると危惧した。(3/26MEDIFAXより)

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