【特定行為】看護師の特定行為は41行為/看護業務WGが意見取りまとめ
厚生労働省の「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」(WG、座長=有賀徹・昭和大病院長)は10月17日、看護師が診療の補助として一定の医行為(特定行為)を実施するための研修制度の骨格について意見を取りまとめた。41行為を特定行為に位置付けた。さらに、「特定行為の区分」として14区分を設定。14区分は、特定行為を実施する前に患者の病態を確認する際、類似した内容になる行為ごとに区分した。
厚労省は同WGの意見を10月29日に予定する「チーム医療推進会議」に報告する。同会議の了承を経て、厚労省は看護師の特定行為のための研修制度創設に向け、2014年の通常国会に提出する予定の医療法等改正案に盛り込む事項について社会保障審議会・医療部会に検討を求める。法改正後に新たな審議の場を設置し、41行為とされた特定行為の追加・削除も含め、研修制度の教育内容や単位など具体的内容を検討することになる。
特定行為の研修は、厚労省の指定を受ける研修機関(指定研修機関)が単独で実施する場合と、実習施設と連携する場合を想定。指定研修機関は、特定行為の区分ごとに厚労省の指定を受け、独自の裁量で同区分を組み合わせ、実際の医療現場の領域を想定した研修などを提供できる。
同WGが設定した特定行為の区分は、▽呼吸器関連(気道確保に係る行為)▽呼吸器関連(人工呼吸療法に係る行為)▽動脈血液ガス分析関連▽循環器関連▽ドレーン管理関連▽創傷管理関連▽循環動態に係る薬剤投与関連▽血糖コントロールに係る薬剤投与関連▽栄養・水分管理に係る薬剤投与関連▽栄養に係るカテーテル管理関連▽精神・神経症状に係る薬剤投与関連▽感染に係る薬剤投与関連▽皮膚損傷に係る薬剤投与関連▽ろう孔管理関連―の14区分。
●「研修義務ない診療の補助」も複数追加へ
特定行為の範囲確定に併せ、研修修了の義務付けなく看護師が診療の補助として実施できるようになる行為が新たに複数加わる。同WGは203行為を特定行為の候補として議論を重ね、「医師のみが実施可能な医行為」「特定行為」「医療現場で実績を積み重ねる中で診療の補助として実施可能な医行為」「医行為に該当しない」などに分類していた。
意見の取りまとめでは、診療の補助として新たに追加することになる研修の義務がない行為について、医療安全の観点から研修実施への配慮が必要になることを医療機関に周知するよう厚労省に求めた。同WGでの議論を踏まえ、厚労省は新たに追加する行為を精査し、通知で明確化する方針。通知発出は14年以降の見通し。診療の補助として新たな行為が認められるのは02年の静脈注射以来となる。(10/18MEDIFAXより)