【特定行為】特定行為、研修機関を3領域別に指定/看護業務WGで厚労省案  PDF

【特定行為】特定行為、研修機関を3領域別に指定/看護 業務WGで厚労省案

 厚生労働省は7月4日の「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」(座長=有賀徹・昭和大病院長)に、看護師が特定行為を行うための指定研修について、3つの領域(急性期的領域、亜急性期的領域、慢性期的領域)別に研修機関を指定する考え方を提示した。

 具体的には▽領域?=ICU・HCUなどに入室中の重篤な状態で医療必要度の極めて高い、循環・呼吸動態不安定な患者に対して必要とされる8行為群(29行為)▽領域?=急性期治療を終了した患者や慢性疾患の急性増悪などで一時的に医療必要度が高まった患者に対して必要とされる7行為群(18行為)▽領域?=長期療養中や在宅療養中で、気管カニューレや留置カテーテルなどの器具装着中の患者や創傷管理、栄養管理、薬剤管理などを行っている患者に必要とされる6行為群(17行為)―の3つに分類。1つの研修機関が、複数の領域の指定研修機関になることも可能としている。

 行為群とは、内容が類似した特定行為をまとめたもので、例えば領域?に該当する「脈管(静脈系)」という行為群は、「中心静脈カテーテルの抜去」「PICC(末梢静脈挿入式静脈カテーテル)挿入」の2行為で構成する。1つの行為群が領域間で重複しているケースもある。

●病床機能分化と整合性を
 神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)は「領域については、?が急性期、?が亜急性期、?が慢性期で分類しているのだろうが、医政局、保険局でそれぞれ入院・病床機能分化の在り方について議論が進められている。病床区分については、最終的に決まった形に合わせてもらいたい」と指摘。「領域?の部分は、急性期が終わった患者に対する特定行為と、慢性期患者が急性増悪した場合の特定行為があやふやではないか。他の検討会での検討結果とリンクして進めた方がよいのではないか」と提案した。

 星北斗委員(星総合病院理事長)は、指定研修機関や受講者が参加しやすい研修制度にしていくことが必要と訴えた。小松浩子委員(慶應大看護医療学部教授)は「領域?、?、?の考え方は理解できる」としたが、一定の自由度がないと普及できないとの懸念を示した。竹股喜代子委員(亀田総合病院看護部長)は厚労省案が分かりにくいとし、行為群をもっと分かりやすくまとめてほしいとした。厚労省は、意見を踏まえ引き続き議論を進める。

 一方、これまでの議論で要検討行為としてきた27行為については、厚労省提案通り13行為を特定行為に認めることにした。会合では、大動脈バルーンパンピングチューブの抜去について認めるべきかどうか議論したが、星委員らから懸念する意見が出たため見送った。(7/5MEDIFAXより)

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