【特定行為】医療費の伸び「高齢化よりも高度化」/中村社保改革室長  PDF

【特定行為】医療費の伸び「高齢化よりも高度化」/中村社保改革室長

 内閣官房社会保障改革担当室の中村秀一室長は11月18日、年率3%程度の伸びを見せる国民医療費について、医療の高度化に伴う伸びが高齢化による伸びを上回っていることから「医療費問題を考える上では、医療の高度化がずっと大きな問題になってくる」と指摘した。第1回全国医療経営士実践研究大会の講演で述べた。

 国民医療費の伸びは、おおむね3%台で推移しており、このうち人口の高齢化に伴う影響が1.5%前後、医療の高度化などの影響が1−2%台とされている。中村氏は経済成長率よりも医療費の伸び率が上回る状況が続くとした上で、「皆さんが考えているほど高齢化の影響は大きくなく、医療の高度化などによる影響の方がずっと大きいということがあるのではないか」と指摘した。

 中村氏は、2010年の国民医療費は皆保険制度が創設された1961年に比べて70倍程度となっており、対国民所得で見ると10.7%になっていると説明。他方、OECDの統計による総医療費(総保健医療支出)の対GDP比は、09年にOECD加盟国平均が9.5%、日本は8.5%で加盟国中24位だった。日本の医療費水準はこうした国際比較に基づいて低いと指摘されてきたが、中村氏は「時間の問題で、OECDの平均に乗ってしまう」と見通した。さらに、「負担に見合うサービスが提供されているかということがこれからの医療の大きな論点になるだろう」との見方も示した。(11/20MEDIFAXより)

ページの先頭へ