【特定行為】「法制化に賛成」が大勢、慎重意見も/看護師の特定行為、3月に報告書  PDF

【特定行為】「法制化に賛成」が大勢、慎重意見も/看護師の特定行為、3月に報告書

 厚生労働省の「チーム医療推進会議」(座長=永井良三・自治医科大学長)は2月22日、看護師が医師の「包括的指示」に基づき診療の補助として一定の医行為(特定行為)を実施するための研修制度について、3月に予定する次回会合での報告書取りまとめに向け議論した。委員の多くは、法的に「グレーゾーン」がある現状を解決するため、研修制度の法制化に賛成したが、根強く反対する意見もあった。

●「危険なところまで入ってこなくていい」/藤川委員
 藤川謙二委員(日本医師会常任理事)は会合に「報告書の取りまとめは両論併記」とすることなどを求める意見書を提出。「事故が起こらないよう、医師が看護師をきちんとコントロールできる範囲であればいい」と述べた上で「医行為の危険なところまで入ってこなくていいというのは純粋に国民のために言っている。それを理解できないのがこの委員会の不思議なところ」と指摘。「認定看護師や専門看護師として看護師の業務の範囲の中で実践能力を高めていくことはいい。そこを飛び出そうとすると日医とはぶつかってしまう」と強調した。また、「危険な絶対的医行為とすべき行為も(特定行為案に)入っている」との懸念も示した。

 片田範子委員(日本看護系大学協議会代表理事)は「法制化させていくときの研修と行為の部分のドッキングが見えない」と述べ、特定行為の内容を確定させてから法制化を検討すべきとして反対した。

●法制化は賛成多数も、引き続き議論必要
 法制化については賛成多数となったが、研修制度の具体的内容や特定行為の範囲など、引き続き議論すべきことは残っている。小川彰委員(全国医学部長病院長会議顧問)は「研修(自体の)枠組みはどこでどうやって誰が決めるのかを(次回取りまとめる報告書に)書き込めればいい」と求めた。

 永井座長は「(特定行為を実施できる看護師の)養成人数の規模や、どの領域で養成していくかは、相当慎重に議論しなければならないということを(報告書に)書き込んでいただきたい。関係者が相談しながら決めていくべき」とした。「現場で教育できるようにすることは担保したい」とも述べた。

 有賀徹委員(昭和大病院長)は「医療の量も質も一昔前とは違う。職種間の重なりも違ってきている」との認識を示し、「ここでは保助看法に特化しているが、全ての身分法を一気通貫的に直さなければならないだろうと思う」と述べた。(2/25MEDIFAXより)

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