【特区】国家戦略特区、東京圏に医学部新設検討/医療の規制緩和は3カ所  PDF

【特区】国家戦略特区、東京圏に医学部新設検討/医療の規制緩和は3カ所

 国家戦略特別区域諮問会議は3月28日、全国6カ所を国家戦略特区に指定する案と特区内で実施する規制緩和策についておおむね了承した。医療に関する規制緩和は▽東京圏(東京都・神奈川県の全部または一部、千葉県成田市)▽関西圏(大阪府・兵庫県・京都府の全部または一部)▽福岡市―の3カ所で実施。医学部は東京圏に新設することを検討する。今後、与党との調整を経た上で、4月下旬までに特区に指定する範囲を政令で定める。

 どのような医学部を東京圏のどの地域に新設するのか、東京圏に何校新設するかは今後検討する。ただ現時点で、東京圏内で医学部新設の提案をしているのは千葉県成田市と国際医療福祉大による「国際医療学園都市構想」のみ。同構想では「医療の国際展開をはかる上での最重要課題ともいえる、海外で病院を実際に運営する際の医師、理学療法士、放射線技師、臨床工学技士、医療経営の専門家などの人材を、同構想を実現することで養成し、政府の成長戦略を強力にサポートする」としている。

 すでに東北地方に医学部を1校新設することを決めているため、文部科学省は、仮に特区内で新設するとしても1校に限るよう求めている。記者会見で、新藤義孝総務相は「(特区に医学部を新設する場合は)東北地方の医学部新設の動向に配慮しなければならない」と述べた。

 日本医師会が反対する中、医学部新設の検討が盛り込まれたことについては、新藤総務相が「高齢社会に対応した医療をどのようにつくっていくか。海外の進んだ医療を日本に積極的に取り込む。こういった側面もあると思っている。一般の臨床医を養成・確保することを主目的とした既存の医学部とは、次元の異なる事業内容が求められ、また、期待がかけられて今回の選定に至った」と説明した。

 実施する医療関連の規制緩和と取り組みの方向性は以下の通り。特区に指定する地域の、どのエリアでどのような規制緩和を実施していくのか具体的策は今後検討する。

 【東京圏】▽外国人向け医療の提供(外国人医師の診療解禁)▽健康・未病産業や最先端医療関連産業の創出(病床規制の特例、外国人医師の診療解禁、保険外併用の拡充)▽国際的医療人材などの養成(医学部検討、病床規制の特例、外国人医師の診療解禁)

 【関西圏】▽再生医療など高度な先端医療の提供(病床規制の特例、外国人医師の診療解禁、保険外併用の拡充)▽革新的医薬品、医療機器などの開発(病床規制の特例、外国人医師の診療解禁、保険外併用の拡充)

 【福岡市】外国人向け医療の提供(病床規制の特例、外国人医師の診療解禁)

 特区諮問会議では、安倍晋三首相が「(東日本大震災の)被災地を含めて、次なる大胆な規制改革提案があれば、それは柔軟かつスピーディーに対応して、事業計画の『深掘り』や新たな地域指定につなげていく」との指示を出し、さらなる特区の指定に意欲を示したという。(3/31MEDIFAXより)

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