【混合診療】選択療養、先進医療会議も慎重姿勢/未承認薬「解消されている」  PDF

【混合診療】選択療養、先進医療会議も慎重姿勢/未承認薬「解消されている」

 厚生労働省が4月17日に開いた先進医療会議では、政府の規制改革会議が提案している「選択療養」も話題となった。構成員として出席している日本医師会の中川俊男副会長が、議論の必要性を提起。構成員からは、以前に比べて未承認薬問題が大きく解消されているとの報告があったほか、安易な選択療養の導入に慎重意見が相次いだ。猿田享男座長も「非常に重要な問題。情報が入り次第、この会議でも検討、議論させていただく」と引き取り、あらためて議論する方向となった。

 中川氏は、選択療養について「先進医療会議にとって真正面のテーマであり、これだけ報道されているのに何も議論しないのは異常なことだ」と強調。欧米で承認済みで、国内未承認薬は165品目あるとした医薬品医療機器総合機構のデータを挙げ、構成員に現場からの意見を求めた。

 国立がん研究センター企画戦略局長の藤原康弘氏は「以前は、海外だけで承認されている良い薬剤も確かにあったが、今現在はそこまでの実感はない」との認識を表明。さらに、「未承認薬には日本に少ない疾患の薬剤など、国内での必要性が高くないものも多い。海外と疾患プロファイルが違う中で、やみくもに日本に導入するのは危険」との見解を示した。

●未承認薬「昔ほど悲観的な状況にない」
 がん研究会有明病院副院長の山口俊晴氏も「少なくとも消化器領域で必要な未承認薬が、そこまで多くあるのかという印象だ。現場感覚としては昔ほど悲観的な状況にない」と指摘。その上で、選択療養について「基本的には反対。この会議で何らかの議論をして社会に情報発信すべきという意見に賛成だ」と同調した。

 聖路加国際病院長の福井次矢氏も「10年ほど前は未承認薬を診療ガイドラインに記載せざるを得ない状況だったが、最近はほとんどなくなった」と未承認薬の解消が進んでいる実態を報告した。(4/18MEDIFAXより)

ページの先頭へ