【混合診療】規制改革会議と厚労省、選択療養で進展せず/安全性確認は共有
政府の規制改革会議は4月23日、「選択療養」の創設について整理した上で、厚生労働省も交えて議論した。終了後の会見で岡議長は「安全性・有効性の確認など、方向性は大いに厚労省と共有できる」と自信を見せたが、具体案を議論するには至らなかった。6月までに厚労省とも具体案で合意し、報告書を取りまとめることを目指すとしている。
岡議長は「現在の皆保険制度と保険外併用療養費制度はリスペクトしている」とした上で、選択療養は評価療養の枠の中ではカバーしきれないで苦労している患者・国民を迅速に救う制度だと強調した。厚労省側からは「現状の制度でよいと考えてはいない」との発言があったとして、選択療養をベースに評価療養や保険収載につなげていくための建設的な議論・提案を厚労省に求めた。現時点では、選択療養を実施する医療機関を限定する考えはないとも説明した。
一方、厚労省は選択療養についての疑問点を示した資料を提示した。具体的には▽選択療養で求める安全性・有効性のエビデンスは、現行の評価療養とほぼ同じではないか▽実施計画に基づかない個別データを集めても、治験などの次のステップへ進むために必要な安全性・有効性の判断は困難ではないか▽申請手続きの一つである「診療計画」の内容は当然踏むべき手続きで、これを行っても患者との情報の非対称性は埋まらないのではないか―など。
記者とのやり取りでは「具体的に誰が新制度を求めているのか」との問いに対し、岡議長が声を荒らげる場面もあった。「制度変更する際には具体的なニーズの把握が必要ではないか」という記者に対し、岡議長は「制度があれば求める声も評価も出てくる。人数は具体的に把握していないが、私の回りには3人いた。そのうち2人はがんだ。現制度で救われていない患者は、間違いなくいると思っている」と応じた。(4/24MEDIFAXより)