【混合診療】医師・患者の合意で“混合診療”可能に/規制改革会議が提案  PDF

【混合診療】医師・患者の合意で“混合診療”可能に/規制改革会議が提案

 政府の規制改革会議は3月27日、医師と患者が合意し、書面で契約するなど一定の手続きを取れば、保険適用外の医療行為と保険診療を組み合わせて実施できるようにする「選択療養(仮称)」を提案した。同会議内の勉強会で6回にわたって議論し、新制度の論点整理をまとめた。現行の保険外併用療養費制度には、保険収載を目的とした「評価療養」と、差額ベッドなどの「選定療養」の2種類があるが、選択療養を3番目の枠組みとして創設するよう厚生労働省に求めた。

 規制改革会議が打ち出した選択療養案によると、現行の保険外併用療養では対象となる診療をリスト化しているが、選択療養ではリスト化せず、患者ごとに個別に適用する。どの医療機関でも実施可能。患者が未承認薬などの保険外診療を望む場合、医師は保険外診療の「診療計画書」を策定する。その上で患者に対し、新たな医療技術を実施する必要性とリスクを書面で十分に説明し、患者の納得を得た上で、書面で了承を取る。これらの書類や、保険外診療の術後経過(予後)はデータベース化する。もし保険外診療に一定の汎用性や有効性が認められれば、評価療養の対象に組み込むなどして、保険収載につながる道もつくる。患者ニーズに応えるため、選択療養に該当するかどうかを極めて短期間で判断できる仕組みにする。

 無用な診療を行わせないためのモラルハザード対策も検討する。医師と患者の間で「診療契約書」を作成して保険者に届け出る仕組みなど、いくつかのアイデアを検討している。規制改革会議は医療現場の実態を踏まえて引き続き検討し、早期に結論を出す構え。

●「混合診療の全面解禁ではない」
 規制改革会議は選択療養について「国民皆保険の維持が前提だ。現行の保険外併用療養費制度の中で実現できる」とし、「混合診療の全面解禁ではない」と主張している。岡議長は「すでに実施されている自由診療の中から保険外診療を選ぶ。現在、自由診療を受けている患者の経済負担を和らげるのが目的であり、何もかも認めるわけではない」と述べた。選択療養にふさわしくないものを除外する仕組みは今後検討する。

●厚労省は同意せず
 岡議長によると、厚労省からは神田裕二大臣官房審議官らが規制改革会議に出席した。選択療養の創設には同意しなかったが、現行の保険外併用療養費制度をさらに改革する必要性は認めたという。厚労省は選択療養案をいったん引き取り、厚労省内で検討すると応じたようだ。

 岡議長は「6月までに実現を目指す。大きな考え方の転換であり、楽観視はしていない。厚労省とは合意できていないが、会議の考え方は受け止めてもらった。期待している」と語った。最短なら2015年の通常国会で法改正を行うことになる。(3/28MEDIFAXより)

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