【混合診療】「疑わしい医療除外」選択療養でルール/規制改革会議
政府の規制改革会議は4月16日、新たな保険外併用療養の仕組み「選択療養」を設ける上での大まかな手続きやルールをまとめた。合理的な根拠が疑わしい医療などを除外することや、患者と医師の情報の非対称性を埋めるための仕組みづくり、併用による安全性・有効性を確認することを打ち出している。規制改革会議が6月ごろにまとめる答申に選択療養を盛り込むことを目指し、今後、厚生労働省と調整を進める。
選択療養は、患者が希望する診療について、個別に保険診療との併用を認めるための仕組み。患者にとって、より迅速に保険外併用療養費の支給が受けられる仕組みを構築することを目指しており、現行の保険外併用療養費制度の中で、評価療養や選定療養とは別に設ける。規制改革会議は会合で、選択療養を制度化するための手続きやルールについて議論し、大まかな枠組みをまとめた。
合理的な根拠が疑わしい医療や、患者負担を不当に増やす無用な医療を排除するため、選択療養の対象から除外する要件を設定する。▽国際的に認められたガイドラインに掲載されている▽一定レベルの学術誌に掲載・査読された2編以上の論文がある▽倫理審査委員会の承認を得ている―の3要件をいずれも満たさない場合は対象から外す。保険外診療のための入院・検査など、最初から保険外診療を目的とする場合、代替可能な保険診療を受診せずに保険外診療を受けるケースも対象外とする。
患者と医師の情報の非対称性を埋めるよう、仕組みづくりも進める考え。患者や医師が選択療養を希望する場合、事前に「診療計画」を策定し、前出の3要件のいずれかを満たすことを証明するエビデンスと、患者の「選択書面」を添付して申請。今後、制度化を検討する「全国統一的な中立の専門家による評価」を通じて申請内容を精査する。この評価結果は、患者本人に情報提供して医師との情報の非対称性解消に役立てる。
どのような病態にどのような保険診療と保険外診療を併用するのか、患者が理解・納得できるよう、診療計画には▽患者の疾患・病態▽保険外診療の目的・内容―などを記載するよう求める。
選択療養の対象とする保険外診療については、それ自体の一定の安全性・有効性だけでなく、保険外併用を行っても診療全体の安全性・有効性に支障がないよう確認を求める。患者ごとに選択療養を適用するかどうか判断する理念を踏まえ、安全性・有効性の確認はできるだけ迅速に進める。
●選択療養の評価療養化も
選択療養の実施実績を蓄積し、評価療養に移行すべきかどうか検討も行う。これにより、最終的な保険収載に向けた新たなルートづくりを目指す。
選択療養によって蓄積されたデータの有効活用も進める。入院期間の増減、保険診療への影響を把握することで選択療養自体を評価。さらには保険制度の見直しにも役立てる。(4/17MEDIFAXより)