【消費税】消費税10%は「適切に決断」/安倍首相が表明、14年4月に8%に
安倍晋三首相は10月1日、当初の予定通り2014年4月から消費税率を8%に引き上げることを表明した。安倍首相は10月1日夜の会見で「安定財源を確保し、社会保障制度を維持強化していく。消費税収は社会保障にしか使わない。当然、歳出の無駄は不断に削減していく」との考えをあらためて示した。ただ、15年10月に予定されている税率10%への引き上げについては「経済状況を総合的に勘案しながら、引き上げの判断時期も含めて適切に決断する」と述べた。
安倍首相は「成長への自信を取り戻し、国の信認を維持し、社会保障制度を将来に引き渡すことが私の内閣に与えられた責任だ」と述べた。増税によって景気の腰折れを防ぐために実施する「経済政策パッケージ」については、「目先の経済を押し上げる一過性の対策ではない」と強調。「将来にわたって賃金を上昇させ、雇用拡大する未来への投資だ」と語った。
●経済政策パッケージも閣議決定
政府は10月1日夕の臨時閣議で「消費税率および地方消費税率の引き上げとそれに伴う対応について」を閣議決定。その中に、増税後の景気下振れリスクへの対応策となる経済政策パッケージも盛り込んだ。成長戦略関連施策の実行や、「耐震改修投資促進税制」の創設を含む減税措置、企業の利益を国民の所得増加につなげるための政策などに取り組む。さらに、5兆円規模の「新たな経済対策」も12月上旬に策定する。産業競争力強化策や、高齢者・女性・若者向け施策、被災地の復興、耐震化・老朽化対策などが柱。これらの施策を実行するため、13年度補正予算も編成する。
社会保障制度改革の「プログラム法案」を、次期臨時国会の冒頭に法案を提出することも明記した。国保などの低所得者保険料軽減措置の拡充といった施策に取り組む。
臨時国会には、国家戦略特区関連法案や、産業競争力強化法案も提出する。産業競争力会議や規制改革会議の議論を通じて規制・制度改革を進め、▽戦略地域単位▽企業単位▽全国単位―の3層構造で改革を加速化する。国家戦略特区として「医療等の国際的イノベーション拠点整備」を推進し、特例的な措置を組み合わせることで経済成長の起爆剤となる、世界で一番ビジネスをしやすい環境をつくる。国際医療拠点における病床規制の特例による病床の新設・増床の容認や、保険外併用療養の拡充などを検討し、具体化を図る。
継続審議になっている薬事法等改正法案と再生医療等安全性確保法案については、法案提出時期を次期臨時国会とは明言しておらず、「早期成立を目指す」とした。(10/2MEDIFAXより)