【消費税】消費税課税へ「軽減税率」に併せ議論を/政府税調で櫻井副大臣  PDF

【消費税】消費税課税へ「軽減税率」に併せ議論を/政府税調で櫻井副大臣

 政府の税制調査会は10月19日、2013年度税制改正の議論を開始した。厚生労働省のヒアリングでは櫻井充副大臣が、事業税の非課税措置や四段階制の存続に加え、医療に関する消費税の課税の在り方を検討するよう要望。「消費税(全体)の軽減税率の議論がされる場合に併せ、(医療についても)検討してほしい」と、医療に関する消費税の課税化とゼロ税率の実現を求めた。一方、財務省の大久保勉副大臣は会合終了後の記者会見で「基本的には中医協で議論するのが原則」と答えた。

 厚労省は税制改正に向け、単独要望で40項目、他省庁と共同で6項目を要望する。会合では櫻井副大臣が、代表的な9項目を説明した。

 櫻井副大臣は医療に関する消費税の課税の在り方について「改正消費税法の中では、引き続き検討するとある」と指摘。「医療関係団体は、ゼロ税率、軽減税率の導入を求めている。今後、消費税の軽減税率の議論が行われる場合には、併せて検討をお願いしたい」と求めた。政府税調の場で、消費税課税化のボールを初めて投げた格好だ。

 この部分について会合では議論にならなかったが、財務省の大久保副大臣は終了後の記者会見で「今後の議論だが、基本的には中医協」という立場を取った。軽減税率については「議論されるが、中心的な場所は、まず民主党の税調。そして3党協議」と指摘。政府税調は「その議論を見守る」との認識を示した。

●四段階制「多額の自由診療あり」は見直しも
 四段階制(社会保険診療報酬の所得計算の特例措置)の存続について櫻井副大臣は、11年、会計検査院から見直しを指摘されたことを受け、制度の適応状況を精査したと説明。その結果「廃止された場合、事業が継続できなくなる恐れがあると回答した者が、高齢者層と診療報酬2500万円以下の小規模医療機関層では約5−6割と高い」と継続の必要性を訴えた。「自由診療部分があまりに多い場合は検討が必要なのはその通り」とも述べ、多額の自由診療収入があっても特例を適用しているケースの見直しは妥当という認識も示した。

 医業継続に関する相続税・贈与税の納税猶予の特例措置創設や、高額な医療用機器の特別償却制度の適用期限延長、たばこ税の引き上げなども求めた。

 研究開発税制(総額型)の税額控除限度額を、20%から30%に引き上げることも求めた。櫻井副大臣は、製薬産業は納税額が高く不況にも強いと説明し「4月の薬価(通常)改定でも5000億円の減額をした。
また、後発医薬品を3割に積み増ししろなど、先発メーカーにとって非常に不利なことがずっと続いている。先発メーカーを元気にしていくためには、税制上の何らかの優遇措置が必要だ」と強調した。

 政府税調は、党税調や各党間での議論を踏まえつつ検討を続け、政務折衝などを経た上で、年末に税制改正大綱をまとめる。(10/22MEDIFAXより)

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