【消費税】消費税問題「軽減税率の提案を」/民主党・仙谷副代表
民主党の仙谷由人副代表は11月28日、東京都内で開かれた医療フォーラムで講演し、医療機関の控除対象外消費税問題の解決に向けて医療界から具体的な軽減税率を提案すべきと主張した。ゼロ税率課税については「全体的バランスから考えても(財務当局を)通りにくい」とし、「医療機関として、むしろ軽減税率を自分の方から示し、還付を受けるのはこの範囲だと打って出るべき」と提言した。
仙谷副代表は、医療機関の控除対象外消費税を診療報酬で補填する方法について、「消費税分が加味された改定率になっているかはなかなか怪しい」と疑問を呈した。ただ、ゼロ税率課税については患者負担分の切り分けなどを考えても実現は難しいとの見方を示し、その上で「この際、医師会をはじめ軽減税率として1%から数%を提案して、還付請求できる制度に移行しないと取り返しのつかないことになると思っている」と述べた。
●TPP、皆保険訴訟はあり得ない
環太平洋連携協定(TPP)については、国家と投資家の間の紛争解決手続きに関するISD条項に基づく国民皆保険への訴訟を懸念する声があるとした上で、「これをやめろという訴訟を米国の製薬企業、生命保険会社がやるとはとても考えられない」との見方を示した。さらに、「そのことが通るというような国際的な法律環境にないことも間違いない」とし、懸念を疑問視した。国民皆保険との関連では、「今のところそういう話はTPP交渉では持ち出されていない」とも述べた。
社会保障・税一体改革にも言及し、「歴史的に正しい選択であったと確信している」と述べ、その実現に向けて一歩踏み出した成果を強調。「皆保険によって担保されているフリーアクセスとレベルの高い医療提供体制を何とか維持しなければいけないと考えている」とする一方、「今の医療を持続するには一人一人が支える力をもう少し出し合うことが必要ではないかと思う」とも述べ、患者自己負担の検討も求められるとの考えを示した。(11/29MEDIFAXより)