【消費税】地方の社会保障に約7兆円/消費増税で、使途調査へ
社会保障と税の一体改革関連法案では、消費税率を10%に引き上げた場合、地方自治体の取り分が現行の2.18%から3.72%に増える。このうち2.72%分(2010年度決算ベースで6兆8000億円)を社会保障に充てることになっており、総務省は、実際にどう使われているかを調査する方針だ。
自治体への3.72%分は地方消費税や地方交付税として配分。本来は使い道が自由な一般財源だが、増税への国民の理解を得るため、今でも地方消費税で割り振られている1%を残し、使途が社会保障に限られる。
ただ現状では、地方が全額を充てていることを検証できない。介護保険など国の補助事業に使った分は、厚生労働省が調査するが、国の補助金を受けない単独事業の費用は自治体ごとにサービスが多様で、調査対象になっていないためだ。
財務省などが使途の明確化を強く求めていることもあり、総務省は近くまとまる11年度決算から、単独事業費の調査に乗り出す。税率は14年度から段階的に引き上げられるが、調査を先行させてデータを蓄積する。
調査対象の単独事業は、年金、医療、介護、少子化対策の4分野と、11年末の「国と地方の協議の場」で4分野関連と認められた障害者支援など。総務省は予防接種など具体的なサービスを挙げて、支出した費用の報告を全自治体に求める。【共同】(6/26MEDIFAXより)