【治療と就労】治療しながら働けるシステムづくりを/厚労省版仕分け  PDF

【治療と就労】治療しながら働けるシステムづくりを/厚労省版仕分け

 有識者が厚生労働省の政策を検証・評価する「提言型政策仕分け」は6月22日、難病やがんなど長期治療が必要な患者の就労支援について議論し、医療機関・相談センターと就労支援機関が連携する仕組みをつくるべきという提言をまとめた。

 提言では、病気の診断後、患者がすぐに就労相談を受けられるような体制の整備や、医療機関で就労支援の情報を集めたリーフレットを患者に配布するといった取り組みを推進するよう求めた。医療と就労の両分野に精通した専門支援人材を育成することも必要だとした。

 患者の「治療」と「仕事」を両立させるため、土日に診療が可能な医療機関を増やすことや、職場で労働時間を見直すためのガイドラインを事業主に周知徹底することなども提言に盛り込んだ。

 難病、がん・肝炎、糖尿病といった疾患ごとの提言もまとめた。中でも糖尿病は発症の初期段階で自覚症状がないため、患者が医療機関や健診を受診した際に生活習慣を改善するための保健指導や情報提供を実施するなど、患者への意識付けも重要だとした。

●「セルフケア」と「健診医療」は両輪
 また、国民の健康維持を図る上で「セルフケア」と「健診医療」が両輪だとも指摘。医療保険者が実施する特定健診・保健指導、職域での健康診断、市町村が実施するがん検診を一体的・効率的に推進し、健診(検診)の費用対効果面を検証したり、受診意欲を喚起させるための施策に取り組んだりする必要性を指摘した。

 受診率を向上させるための取り組みとして、▽健診の対象年齢になる前から受診の働き掛けを行う▽健診しやすいよう労働時間に配慮する▽がん検診と他の健診との同時受診を促進する―といった取り組みも必要だと提言した。健診受診率の向上につながる好事例を収集し普及することも重要だとした。(6/26MEDIFAXより)

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