【民間保険】現物給付化要望、「直接支払い」なら可/介護サービスで金融庁
保険会社から要望があった介護や葬儀サービスの現物給付化について、金融庁は4月4日の「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ(WG)」に、要望内容は保険金の直接支払いサービスとして行うことが可能との整理案を示した。
金融庁によると、サービスの質の確保などの問題から生命保険については現物給付が認められていないが、直接支払いサービスはあくまで保険金の支払先の変更にすぎず、保険金を受け取る人の同意があれば禁止されるものではないとしている。
これまでのWGの議論では、保険会社による介護や葬儀サービスの現物給付ニーズはあるとする意見が出ていた。金融庁が示した「議論の整理」では、「現在ニーズがある事項については、全て直接支払いで整理することが可能であり、むしろ、さまざまな検討すべき課題が指摘されている現物給付で整理するよりも、現行の法体系の下でも実現可能である直接支払いで整理し、対応することとしてはどうか」とした。介護分野では、有料老人ホームの入居金や月額の家賃を保険金から支払うことなどが想定されている。
金融庁総務企画局企画課保険企画室の玉川英資総括課長補佐は、介護事業者への影響について「保険会社と提携することで、将来のサービス量の見込みが分かりやすくなるのではないか」としている。
●不妊治療の保険商品化も議論
WGでは、不妊治療の保険商品化も議論した。ただ、商品化の是非も含めて意見はまとまっておらず、次回のWGで引き続き議論する予定。WGの報告書は6月にも取りまとめる。(4/5MEDIFAXより)