【民間保険】不妊治療を民間保険の対象に/金融庁が検討
金融庁の金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ(WG)」が、不妊治療を民間保険の対象にするかどうか検討を始めた。原因が特定できない不妊治療が対象。疾病などの原因による不妊は医療保険の対象になるため、民間保険の対象から外れる。金融庁は8月24日のWGで論点を提示している。2013年夏ごろまでにWGの結論を出し、必要があれば法令改正などの措置を取る考えだ。
民間保険には、生命保険を扱う「第1分野」と、損害保険を扱う「第2分野」、それ以外のものを扱う「第3分野」があり、がん保険などは第3分野に含まれている。不妊治療の民間保険適用検討は、この第3分野の見直しの一環。保険契約者を保護するための「保険業法」では第3分野の対象範囲を定めているが、原因が特定できない不妊が疾病かどうかは不明確だった。保険業界からは「不妊治療を受ける人の経済的負担を軽減するためにも、疾病が特定できない不妊が第3分野に含まれるかどうか、明確化してほしい」という要望が出ていた。
不妊治療をめぐっては、厚生労働省の「不妊に悩む方への特定治療支援事業」で夫婦に対する不妊治療のうち、1回の治療費が高額な特定不妊治療(体外受精や顕微受精)に国が治療費の一部を助成している。09年度の助成実績は8万4485件で、04年度に比べて4.8倍に増えている。海外では、米国やドイツに不妊治療費を保障する医療保険商品があるほか、英国やフランスでは不妊治療が公的医療保険の対象になっている。(10/18MEDIFAXより)