【民間保険】不妊治療の保険商品化に慎重論/金融審議会WG  PDF

【民間保険】不妊治療の保険商品化に慎重論/金融審議会WG

 金融庁の金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ(WG)」は11月12日、不妊治療への民間保険サービスなどをめぐって論点整理を行った。WGの委員からは、不妊治療の保険商品化に慎重論が出ている。

 保険業界からオブザーバーとして参加した明治安田生命保険の梅輝喜調査部長は、不妊治療の保険商品に関する具体的なイメージを提示。民間医療保険や疾病を保障する医療系特約の中に「特定不妊治療給付金」を設定し、疾病が原因ではない不妊治療を受けた場合に、給付金を支払うスキームを提案した。ただ、不妊治療を受けたいと考えている人が、治療直前にこの保険に入ると支払いが増え、保険商品として成り立たなくなってしまう。そのためモラルハザード回避策として▽契約後は一定の保障対象外期間を設ける▽不妊治療中の人や、一定期間内に不妊治療を受けていた人とは契約しない▽不妊治療の給付回数や支払期間、年齢などで制限を設ける―といったアイデアも示した。

 しかしWGでは、不妊治療をサポートすること自体には理解を示す意見があったものの、「契約者があらかじめ得をしたり、損をしたりすることが分かってしまう保険商品の設計には問題がある」などといった慎重論も多かった。また、「例えば契約後5年間は給付されないなどとした場合、あまり使われない制度になるのではないか」といった意見もあった。WGでは今後も不妊治療の保険商品化について議論を続ける。

●医療機関への直接支払いは議論なし
 民間保険会社から医療機関への保険金直接支払い方式についても、梅氏が提示した資料の中で紹介されたが、この件について具体的な議論は行われなかった。現行の保険業法では「現物給付」は認めていない。だが現物給付と似たスキームとして「保険金の直接支払い」が考えられており、法律上は直接支払いが可能かどうか、不明確なままになっている。医療機関への直接支払いは、現物給付と保険金直接支払いのスキームを整理するための材料として紹介された。

 梅氏は、直接支払いが顧客に与えるメリットの一例として、「保険金として治療費などが医療機関などに直接支払われれば、被保険者が医療や介護などのサービスを受ける際、自ら事前に治療費などを工面しなくてもキャッシュレスで対応できるようになる」「キャッシュレス化で一時的な資金負担を回避できるようになり、比較的高額な医療や、全額自己負担になるような自由診療でも、患者が希望する医療サービスを容易に受けられるようになる」と資料に盛り込んだ。(11/13MEDIFAXより)

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