【民間保険】不妊治療の保険商品化「有意義だが課題も」/金融庁WG  PDF

【民間保険】不妊治療の保険商品化「有意義だが課題も」/金融庁WG

 金融庁の「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」は4月19日、原因が特定できない不妊の治療費を保障する民間保険について、これまでの議論を整理した資料を提示した。不妊治療に関する保険サービスは一定の需要が見込まれ、社会的な意義もあるとした一方、モラルリスクや逆選択、データ収集が困難などの課題があり、商品が複雑化しない対応が必要とする内容で、委員らの意見もおおむね一致した。結論は1カ月後をめどに報告書の素案に組み込み、6月中には報告書を金融審議会に上げる予定となっている。

 課題は治療直前に保険加入したり、不妊リスクの高い人ばかりが集まると、保険商品として成り立たなくなってしまうことにある。前回までの議論で、回避策として▽契約後は一定の期間は保障対象外とする▽保険金の給付回数や給付金額の上限を設ける―などのアイデアが出ている。今回、委員からは「福利厚生として不妊治療の補助制度をすでに導入している企業をサポートする」「団体保険の形にする」といったアイデアも出た。

●「かなり時間のかかる難問」/明治安田生命
 オブザーバーである明治安田生命保険の梅輝喜調査部長は「商品開発は各社の経営判断事項。当社としては、仮に検討を開始したとしても、課題を解決して販売に至るには、かなり時間のかかる難問である」と述べた。

 金融庁の伊野彰洋・保険企画室長は「工夫して課題を克服した商品が出てくれば、府令などの制度面は付いてくる」としている。(4/22MEDIFAXより)

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