【死因究明】死因究明の推進計画、策定へ議論開始/診療関連死以外で政府  PDF

【死因究明】死因究明の推進計画、策定へ議論開始/診療関連死以外で政府

 2012年6月に成立した「死因究明等の推進に関する法律」(推進法)に基づき、医療事故などに伴う診療関連死以外の死因究明について議論する「死因究明等推進会議」の初会合が10月26日、首相官邸で開かれた。専門的機関の整備や警察の死因究明体制の充実など、同法の基本方針の実現に向け、「死因究明等推進計画案」の策定を進める。医療界からは日本医師会の横倉義武会長らが委員に名を連ねた。13年12月の閣議決定を目指して計画案の検討を進める。

 12年6月に成立したのは推進法と、遺族の承諾なく解剖ができることなどを盛り込んだ「警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律」(調査法)。調査法は13年4月1日から施行される。推進法には基本方針を実現する推進計画の案を作成する会議の設置が盛り込まれていた。

 基本方針では▽死因究明を行う専門的な機関の全国的な整備▽教育と研究の拠点の整備▽警察等の職員、医師、歯科医師等の人材育成▽警察等の死因究明の実施体制の充実▽死体検案と解剖の実施体制の充実▽薬物と毒物の検査、死亡時画像診断等の科学的調査の活用▽身元確認のための科学的な調査とデータベースの整備▽死因究明で得られた情報の活用と遺族らへの説明の促進―の8項目が示された。

 内閣官房副長官を議長とする省庁横断の「死因究明制度に関するワーキングチーム」が推進法の基本方針に沿う形で具体的な検討を進めてきた経緯もあり、今後は基本方針を軸にワーキングチームの検討結果を参考として議論が進められる見通し。

 推進会議は藤村修官房長官を会長とし、三井辨雄厚生労働相ら関係閣僚と医療界、法曹界の有識者が委員となった。初会合では、藤村官房長官が「死因究明制度の在り方を方向付ける大変重要な会議。具体的かつ実効性の高い推進計画案を策定してほしい」と挨拶した。

 計画の具体的な検討は同会議の下に設置した「死因究明等推進計画検討会」が進める。検討会の初会合も開かれた。

 推進会議の主な医療関係の委員は次の各氏。 ▽相澤好治(北里研究所常任理事、日本医学会幹事)▽大久保満男(日本歯科医師会長)▽里見進(東北大総長)▽平岩幸一(日本法医学会理事長、福島県立医科大教授)▽横倉義武(日医会長)

 推進会議の主な医療関係の専門委員は次の各氏。 ▽今井裕(東海大医学部学部長、東海大医学部専門診療学系画像診断学教授)▽今村聡(日医副会長)▽岩瀬博太郎(千葉大大学院教授)▽久保真一(福岡大医学部長、福岡大医学部法医学教室教授)▽小室歳信(日本大教授、日本法歯科医学会理事)▽福永龍繁(東京都監察医務院長)▽柳川忠廣(日歯常務理事)(10/29MEDIFAXより)

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