【死因究明】新たな監察医制度、全国展開を提案/内閣府、死因究明検討会で
内閣府は、現在は東京など一部の自治体だけで運営されている監察医制度について、都道府県知事が非常勤監察医を任命する新たな制度に衣替えし全国に展開する案をまとめ、10月25日の「死因究明等推進計画検討会」(座長=川端博・明治大法科大学院専任教授)に示した。同検討会は死因究明等推進会議(会長=菅義偉・内閣官房長官)の下部組織。検討会は非公開で、推進会議の事務局長を務める内閣府の安森智司大臣官房審議官が会見し「年内に方向性が一致するよう議論し、年明けに報告書作成に向けた文書化に着手できればベスト」と述べた。
内閣府が提案した新たな制度は、非常勤の監察医が1日当たり1−2人体制で現場などに出向いて検案する構想。財源は遺族側の負担を想定しており、現行の仕組みで医師が死体検案書を交付する際に遺族が支払っている費用と同額の規模で、新たな体制を維持することが可能とした。
まずは非常勤の監察医による体制を整えながら、自治体の実情に応じて人員確保に向けた検討や、活動場所の確保を進めるとしている。
安森審議官は「困ったときに解剖できるようにする体制として、まずは動き出せるように、という現実的な案としてまとめた」と説明した。
●「日本死因究明機構」創設案も/医療事故調との関係は?
検討会では、岩瀬博太郎専門委員(千葉大大学院教授)ら3人の委員が連名で「日本死因究明機構(仮称)」を創設する案を提示した。死因究明や身元確認のための調査が的確に行われるための標準的な技術的指針を策定するほか、死因究明・身元確認に関する調査・研究などを実施する組織として構想。各都道府県には支部を設置するという。
他の委員から、厚生労働省が創設に向けて検討している医療事故調査制度での第三者機関との関係などについて質問が出たため、11月22日に予定する次回会合では、厚労省が医療事故調の検討状況などを説明する予定だ。(10/28MEDIFAXより)