【歳入庁】「歳入庁」徴収体制、3案提示も具体性欠く/政府・中間報告  PDF

【歳入庁】「歳入庁」徴収体制、3案提示も具体性欠く/政府・中間報告

 政府は4月27日、社会保障と税の一体改革に関する関係5大臣会合を開き、税と社会保険料を徴収する組織体制の中間報告をまとめた。組織のイメージとして▽国税庁、日本年金機構などの徴収業務を統合する「徴収業務統合型」▽給付業務も含めた全業務を統合する「全業務統合型」▽各執行機関の連携を強化し、組織再編を行わない「連携強化型」の3案を提示したが、民主党がまとめた中間報告とは異なり、発足時期などで具体的な方向性は示さなかった。

 一体改革大綱で「歳入庁の創設による、税と社会保険料を徴収する体制の構築について直ちに本格的な作業に着手する」と記されたことなどを受け、政府は5大臣会合の下に、藤田一枝厚生労働政務官らをメンバーとする作業チームを設置し、2月から新たな徴収体制の在り方を検討してきた。

 3案のうち「徴収業務統合型」は徴収業務の範囲に応じて実施組織を統合させるもので、日本年金機構の徴収業務を国税庁に加えて両者を統合させる民主党案に最も近い内容。「全業務統合型」は給付や申請などの全業務を統合させ、人員などのコスト削減を図る。「連携強化型」は各執行機関の連携強化によって歳入庁のような新たな組織をつくらず、組織再編に伴うコストも発生させないことなどを狙う。ただ、「導入は社会保障・税の共通番号(マイナンバー)の制度開始(2015年1月)に合わせることが望ましい」とした民主党案と異なり、具体的な発足時期は盛り込まなかった。また、各類型のコストに関する試算も示さなかった。(5/1MEDIFAXより)

ページの先頭へ