【機能分化】機能分化の報告制度、療養病床も対象に/厚労省検討会
厚生労働省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大教授)は12月13日、病床機能分化に向けて導入する報告制度の対象に、療養病床を加えることを決めた。同検討会は厚労省の「急性期医療に関する作業グループ」がまとめた方向性に基づき、一般病床の機能分化を推進する仕組みとして具体的な報告内容を議論していたが、各医療機関が報告する内容は一般病床だけでなく療養病床にまで拡大することになった。
報告制度の対象については前回の会合で、厚労省が「有床診療所」も含まれるとの見方を示し、委員も了承。療養病床を対象にするかどうかは議論するとしていた。
会合では、厚労省が示した論点に基づき、報告制度での療養病床の取り扱いや、入院が長期化する患者などについて議論した。
●「1病棟で複数機能」の在り方も議論
1つの病棟が複数の医療機能を持って地域の医療ニーズに対応する場合についても議論することを決めた。構成員から「地域」の定義について聞かれた厚労省医政局総務課の吉岡てつを課長は「医療機関が少ない地域では1つの病棟がいろいろな機能を担っており、今後もそうだと思う。都市部でもそういうことが必要かもしれない」と述べ、へき地や都市部以外に限定しているわけではないと説明した。
西澤寛俊構成員は「一体改革で示されているのは地域一般病床で、私たちが提唱しているのは地域一般病棟」と指摘。「私たちは都会型の中小病院が担う役割として提唱している。急性期の病院で、かなり亜急性期の患者も含まれることを想定しており、議論としては分けてほしい」と求めた。四病院団体協議会は現在行っている実態調査の結果を踏まえて、地域一般病棟などについて次期政権に提言する方針を示している。
一体改革でシミュレーションが示されている地域一般病床は、おおむね人口5万−7万人の自治体で100人当たり1床程度の整備量を仮定している。(12/14MEDIFAXより)